麻とヴェルヴェット
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早朝、グッチの2019クルーズコレクションがありました。
もちろんそんなに早く起きていたわけではなく、 今、スライドを見ましたけれども、暗くてよくわからない。 アルルで行われたショーは、道の脇で火が燃えているという、 先日のディオールの大雨の中のショーとは対照的な火の要素。 今回のコレクションの中でけっこう出てきたのがワンショルダー。 ワンショルダーはまだ続きます。 はからずも先日の私のトークイベントは、 ワンショルダーとベアトップのイレギュラーの着方をご紹介したような形になっていました。 それはどういうものかというと、 インナーに何かを着るということ。 ノースリーブのものでもいいし、レースやシフォンの透けたものでもいいので、 下に何か着てしまえば、ワンショルダーもベアトップもけっこう着られます。 私の場合、ワンショルダーのニットにノースリーブのシャツという、 暑いのか寒いのかよくわからないスタイルでしたが、 あのニットは春夏用なのです、一応。冬も着る予定ですが。 そんなわけで、皆さんもワンショルダー、チャレンジしてください。 皆さん、ご存知でない方もいらっしゃるかもしれませんが、
わたくし、隔週で日刊SPA!にメンズのファッションについてコラムを書いています。 メンズ版の「モードをリアルに着る!」です。 そのときに私が注意しているのは、 おしゃれとか考えたことがない人でもチャレンジしやすいスタイリングについて提案する、 ということなんです。 ですから、あまりにお金がかかりそうなものは取り上げていません。 ここら辺ならできるのではないか?ぐらいのものについて書いています。 そうなってきたときに、男性の皆さんの被服費がどれぐらいなのか? ということが気になってくるわけです。 で、聞いたら教えてくれそうな相手に何気なく聞いてみるのですけれども、 誰もはっきりとしたことは答えてはくれないんですよね。 教えたくないというよりも、ただ単に使っている額を把握していないようです。 そんな中、きのう東洋経済オンラインで「スーツ販売が低迷」という記事がアップされていたので、読みました。 するとなんと、総務省の調査によると、 「背広服」(スーツのことらしい)に対する2016年度の1年間の1世帯あたりの支出額が、4262円というではないですか。 ??? 4262円のスーツって何? これはつまり、スーツなんざ買ってはいない、ということらしいのです。 男はスーツを買わないのか。ふーん・・・ まあね、仕事以外でスーツを着る機会ってあんまりないでしょうし、 スーツなんか着なくていい仕事だったら、 スーツは要りませんものね。 しかしスーツ抜きだと、メンズのファッションって成り立たなくて、 せめてジャケットぐらいは買ってほしいなと思うところ。 ジャケットに対する支出額もワイシャツ以下。 だから、ほとんど買ってないようで。 みんな、何を買っているんでしょうか? Tシャツ? そうかもしれませんね。 例えばコットンポリエステルとか、
ビスコースレーヨンとか、 コットンポリウレタンとかありますね。 その一つ一つが着ているとどれだけ暑いのか、 あるいはどれぐらいしたら劣化するか、 そんなデータがどこかにあるでしょうか。 たぶんですけれども、ありません。 例えばコットンポリエステルを着たら暑いと感じるかどうかのテストなど、 涼しく感じる素材を開発している企業以外では、 していないと思います。 それから、コットンポリウレタンとか、ウールポリウレタンの製品が 何年後に劣化するかということを、 アパレルメーカーが調べているかといったら、調べていないでしょう。 そもそも生地を作ったのは生地メーカーですし、 たくさんの種類を生産するアパレルメーカーが、すべてを保管して、 何年後にどうなるか、追跡しているなんて、聞いたことはありません。 生地メーカーもアパレルメーカーもわからないのに、 私にわかるわけがありません。 ときたま、ポリウレタン含有のこの生地は何年後に劣化するのかとか聞かれるのですけれども、 生地メーカーに問い合わせれば?ぐらいしか、答えはありません。 ポリウレタンに関しては、だから、3年で劣化しますと書いたポスターが クリーニング店などに張られています。 最近、コットンポリエステルは暑いかとか、麻レーヨンは暑いのかとか、 あと汗じみはどうするとか、 そういったお問い合わせが多いのですけれども、 それは生地メーカーに問い合わせるといいと思います。 私には、大体のところまでしかわかりません。 ディオールのクルーズコレクションに呼ばれたセレブの写真がいろいろアップされていて、
それを見ていたのですが、 その中にベアトリ―チェ・ヴィオというパラリンピックのフェンシングで金メダルをとった選手が混じっていました。 彼女のことは詳しくは知らなかったのですが、 小さいころ、病気で両脚の膝から下と、肘から先の腕と手が義足と義手です。 それでもディオールのドレスがちゃんと着られています。 コレクションに呼ばれて出席です。 しかもとってもきれいです。 ハンディとはなんだろうかと。 この姿を見て思いました。 足が義足でも、その人が着られると思えばドレスは着られる。 着られると思った人は着られる。 着られないと思ったら着られない。 それだけです。 人はそうやって自分の可能性を広げることも狭めることも、 自分で決定できます。 よかったら、ベアトリ―チェのスナップ見てくださいね。 かわいいです。 昨日、トークイベントにいらっしゃった皆様、どうもありがとうございました!
きのうは具体的にどこで、何を、幾らで買ったか、 どうやって探すかなどのお話をしたのですが、 たぶん皆さんが想像していたよりも、 使っている金額は少なかったと思います。 また、実践した結果があそこまでいくとは、 思ってなかったのではないでしょうか。 街を歩いている人できのうのかおりさんのレベルの人は、 ほとんどいないです。 多くの人はあのレベルまではいってないけれども、 お金はもっと使っている。 工夫次第でかなりのところまでできるとおわかりいただけたのではないかと思います。 しかもあれで実践してから半年足らずですから、 ワードローブ全体の完成はまだこれからです。 皆さんもやればやっただけの結果が出ますから、 ぜひ実践してくださいね。 それからきのうは数名、過去にファッションレッスンを受けてくださった方が 来ていらっしゃって、 皆さん、以前より全然よくなっていてよかったです。 初級を受けただけでも随分よくなりますね。 これで買い物の仕方も変えたら、もっとよくなります。 引き続き頑張っていきましょう。 きのういらっしゃれなかった皆さんも、 本に書いてあることを実践していけば、 今よりずっとよくなります。 全部は無理でもできることはあると思いますので、 何かしらやってみてくださいね。 そんなわけで、トークイベントのご報告でした。 先ほどまでディオールの2019クルーズコレクションを見ていました。
パリ郊外のシャンティー城で会場だったのですが、 これがすごい雨で。 私、今までいろいろ見てきたけれども、 雨の中、モデルが歩いたショーってなかったのではないでしょうか。 ドレスもバッグも靴も濡れてびしょびしょになってしまう。 あれは相当大変です。 あの後どうしたのかな。 さて、ショーはメキシコの女性乗馬団みたいなのがテーマ。 自立した女性です。 そうそう、 西洋のファッションって、そのほとんどが「自立した女性」のためのもの。 依存した女性って、いなくはないだろうけれども、 それはテーマにはなり得ないのですね。 だから、私は自立しません、誰か決めてください、責任もとらないです みたいな態度の人とは最初から相いれないのです。 西洋においてファッションとは、自立した個人のためのものなんです。 それがわからないと、 理解できないかもしれません。 さて、今日はこれからトークイベント。 いらっしゃる皆様は、後ほどお会いいたしましょう! きのうネットのニュースを見ていたら、
今、80年代を扱うドラマの中でピンクハウスを着ている女優さんが出ている というものを読みました。 そうそう、80年代、90年代、 必ずピンクハウスだけで大学に来る人とかいたんですよね。 ブンカにもピンクハウスだけの人がいました。 それだけではなく、 ブンカの体育館でピンクハウスのショーがいつもあったので、 あの新宿の地下道をピンクハウス軍団のお姉さま方が 横一列に並んで歩いている姿を何回か見ました。 壮観でしたよ。 記事を読んで、 ピンクハウスを着ている女優さんの画像をどんどん見ていったら、 1枚の写真で止まりました。 あれ、これは・・・ ネイビーのポリエステルの生地をキルティングしたジャンパー。 (今はボンバージャケットという) これは私が着てたやつとたぶん同じ型! 私は全然ピンクハウスって柄じゃないんだけど、 なぜか横浜の高島屋のセールでこのジャンパーを買って、 これを着てブンカへ通っていました。 ブンカの文化祭のとき、なんかの係になって、これを着て食堂の前に座っていたことまで思い出しました。 金色のファスナーで、裏地が真っ赤できれいだったんですよね。 ネイビーのキルティングが白っちゃけるまで着ていました。 あの時代、ピンクハウスのワンピースって、5万円弱ぐらいで、 とても高かったのです。 (ジャンパーはたしか半額で2万4000円とかだった) だから全身ピンクハウスの方は皆さん、お嬢様なんですよ。 しばし思いだしたピンクハウスでした。 これはすべての人がそうであったらいいということではなくて、
私はそうということなので、勘違いとか、勝手な思い込みをしないでくださいね。 だんだん年をとってくるにつれて、 私が最も服において重要視しているのはパターンです。 考えたら、若いということはちょっとぐらい変なパターンでも、 肉体が若いので、それだけで着られたのです。 しかし年々、とにかく変なパターンの服が嫌で、 間違って買ってしまったら、ほとんど着ないという結果になります。 嫌な理由は2つ。 まず第一に着にくい。 それからもう一つ。 格好悪い。 これにつきます。 変なパターンって、単純に格好悪いんです。 私は服を着ることで、わざわざ格好悪くなりたくなくて、 それが優先事項なので、 格好悪くなるパターンの服を着たくはないのです。 最初にも書きましたが、 すべての人がそうであるべきとか、そういう話ではありません。 私が、ということです。 優先順位が「楽ちん」という人もいるでしょう。 それは人それぞれちがうと思います。 年をとるにつれて、譲れない点というのがみんなそれぞれ出てくるのではないでしょうかね。 わからないけど。 最近、検索ワードに、
ブラウスがずれるなど、ふえてきました。 考えられる原因は2つです。 1つ目は、 身体に合っていないブラウスを選んでいること。 これはそのとおり、サイズ違いのものを着ているため、 ブラウスの前が上がったり、逆に後ろが上がったり(こちらはあまりない)すること。 サイズが合うものを買えば解決します。 2つ目は、 パターンが悪い。 こういうのが結構あります。 パターンが悪い服はどうにもなりません。 買ってしまったら、それは失敗です。 もう着られない。 同じところのものはもう買わないことです。 年をとればとるほど、 パターンが悪い服は着たくありません。 なぜなら格好悪いから。 それだけです。 きのうの続きです。
では、消費されないおしゃれとはどういうものか、ということです。 一番わかりやすい例は、昔の女優のスタイルです。 例えばオードリー・ヘップバーンとかマリリン・モンローとか、 ジーン・セバーグ、グレース・ケリー、キャサリン・ヘップバーンなど、 今でもヴォーグなんかで写真が載るスタイルです。 今見ても素敵で、お手本になるスタイル。 そしてそのときだけおしゃれに見えたものを身につけていたわけではないので、 新しいというわけではないけれども、 十分におしゃれに見えます。 短い期間おしゃれに見えて、消費されるおしゃれもあります。 そんなものはないとは言わないし、一瞬よく見えるというのはもちろんある。 だけれどもそれを追いかけるためには、 どんどん新しいものを買って、捨てていかなければなりません。 また、若ければ若いほど、そういうものに一生懸命になる傾向もあります。 消費されないスタイルを目指すか、 消費されてしまうおしゃれをするか、 それは選べますので、それぞれが選べばいいです。 ただ、私が延々話しているのは消費されないスタイルについて。 それを作るにはどうしたらいいかという話をしています。 簡単ではありませんけれど、できなくもないです。 そんな感じで、トークイベント、まだ入れるので、 来られる人はぜひどうぞ。 |
AuthorNaoko Kobayashi Archives
September 2023
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