麻とヴェルヴェット
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以前、パーソナルファッションレッスンをしていたとき、
「あなたには〇〇が似合うと言われたが、それは着たくない。 着なくてもいいか?」とおっしゃるクライアントさんがたくさん来ました。 聞いた相手はパーソナルスタイリスト、カラー診断、骨格診断、その他もろもろ。 そして聞いてきた皆さんは、40代以上の皆さん。 結局、「あなたにそれが似合う」と言われても、 自分が着たくない服は着たくないわけです。 「似合う服」などというのは、気に入ればいいけれども、気に入らなければ、困った代物になります。 さて、まだまだ多くの皆さんが、似合うというのは絶対的な1つの基準だと思っているようですが、違います。 「似合う」というのは環境、周囲のメンバー、シチュエーション、自分の気分といった 要素の関係性で決まるので、一つではないんです。 センター試験みたいなテストのせいでしょうか。 いつでも答えは1つと思っている人が多いけれども、 答えはたくさんあるし、しょっちゅう変わります。 なぜなら、人間は宇宙空間に一人ぽつんと浮かんで存在しているわけではないからです。 私たちは、関係性の中で生きています。 変な言い方だけれども、 多くの人が望む似合う服って、現在の自分以上に感じられる服のことなんですよね。 だから、「ビルの清掃員の制服が一番似合う」と言われて、 納得する人はいないでしょう? もし納得したとしても、それでどこへでも行かないですよね。 もうちょっといいたとえで言ったら、 「飛行機のキャビンアテンダントの制服がとても似合う」としても、 それは飛行機の中で働いているときに似合うのであって、 それでスーパーで買い物したり、デートしたりはしないでしょう? そういうことです。 Comments are closed.
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AuthorNaoko Kobayashi Archives
November 2023
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