麻とヴェルヴェット
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チープシックについての本を書くにあたり、この間(かん)、
セール、アウトレット、古着、中古、作家もの、エスニックもの、アンティーク、 それからシェア、手作り、リメイクなど、 さまざまな入手する方法を自分でも試みてきました。 その結果、わかったのは、 今はかつてないほど選択肢が多い、ということです。 中古でよければ、シャネルのスカートも1万円以下で手に入ります。 新品でなければいけないという考え方を変えて、 中古でよいと決めると選択肢は広がります。 中古のほうがファストファッションよりもクオリティが高く、かつ長もちするものが多くあり、 同等の価格、またはそれ以下で手に入れることができます。 明らかに、長もちしないファストファッションを何枚も買うほうが、 中古品よりもお金はかかります。 私がブンカにいたころ、 セールでハイブランドものを買ったり、 中古や古着でシャネルだの、グッチだの買うなんてことは考えられませんでした。 なぜなら、そんなものは売っていなかったから。 いい古着が欲しかったら、ヨーロッパへ旅行へいった際に探す以外なく、 こんな簡単に、しかも安価に手に入れる方法など、 日本にはありませんでした。 選択肢は多くあります。 それでも選ばないとしたら、それは個人の問題で、 けっして「売っていない」「買えない」という問題ではありません。 ただそれを選ぶかどうかも個人の自由なので、 選ばないからといって、私はとやかく言いませんし、なんとも思いません。 結局、生き方の問題だから、 それは尊重します。 90年代後半の表参道と、今の表参道。 おしゃれな人はぐっと減りました。 おしゃれをしたい人にとっては、たとえお金がなくてもそれができる。 今は案外、ことおしゃれに関しては、いい時代ではないかと思います。 Comments are closed.
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AuthorNaoko Kobayashi Archives
May 2023
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