麻とヴェルヴェット
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皆さま、先日ご紹介したクレア・マッカ―デルの『わたしの服の見つけかた』は
読んでいただけたかしら? さて、あの本にもあるように、西洋ではこういうときはあの服を、 ああいうときにはこの服をというように、 結構ルールが厳しく決まっています。 今でこそ緩くなったでしょうし、 日本なんかではそんなルールは完全無視なので、関係ないでしょうけれども、 西洋諸国にはまだそのルールの名残がありますよ。 そこで思い出すのが、私が20代に初めて行ったロンドン旅行。 英語の専門学校を出た友達とその妹と一緒に行ったんだけれども、 その人がとても汚い格好でした。 ストーンズのファンで、革ジャンとドクターマーチンみたいな感じで、 あーあ、と思ったけれども、そのままホテルへ行ったら、 案の定、とっても冷たい対応で、初めてロンドンに来たのにがっくりきたのでした。 たぶんあれじゃあ、不法で労働に来た人に思われたんだと思います。 けれども途中で、そうだ私は別行動したらいいんだと気づいて、 別行動することを提案したら、快く受け入れてくれて、 一人でロンドンの街へ出たら、あらまあ、それまでと全然違うじゃないの。 私はヘルムート・ラングのウールの黒いコートに黒いブーツ、黒帽子、黒パンツで、 セーターだけ赤いのを着ていたんだけれども、 それでカフェへ行っても、店へ行っても、みんな、にこにこ対応してくれました。 日本だってそうだけれども、 西洋諸国だって、外国人を見たら、着ているもので判断するでしょう。 それはその場に対する敬意でもあるし。 この冬、西洋諸国へ旅行する方がいらっしゃったら、 その点を考えて旅行するといいと思います。 Comments are closed.
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AuthorNaoko Kobayashi Archives
September 2023
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