麻とヴェルヴェット
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今年前半の決算が出たところが多いようです。
アパレルに関して、去年よりはいいけれども、 おととしに比べたら3割から5割減という感じです。 去年でしょうか。 日本の人口の半分以上は50歳より年上になりました。 若い世代はぐっと少ないです。 でもいい年の大人はたくさんいます。 いい年の大人世代の服は売れないでしょう。 大きな理由は二つ。 まず一つ。日本の女性の収入の低さ。 女性の働いている人全部平均して、その平均値が一番高いのが26歳になります。 ここからは、平均は下り坂です。 そして40歳以降の正社員率もぐっと下がります。 けれども、いい年の大人向けの衣類は高いです。 さっき読んだら、カシミアのコート60万円とかで売るそうです。 それを買える人は少数派です。いなくもないですが、少ないです。 潤沢な資金で買える人たちが、日本の女性のいい年の大人には少ないというのがまず一つの理由。 次です。 去年も売れなかったのに、今年も売れなかったって、どういうこと? という話です。 生活は続いているのに。 生活は続いているけれども、減ったのは「お出かけ」です。 大人になればなるほど、いい服は「お出かけ」のために買うようになります。 近所のスーパーを見ていても、買い物程度に立派な服で来る人は、 どこかのお出かけの帰りの人ぐらいで、近所へのお出かけ服は機能重視で、 着飾るものとは違います。 それだけではありません。 いい年の大人には、着ていく場があまりありません。 特別な機会を設けない限り、カジュアルな格好のまま どこでも行けるので、あえてお出かけ着は要らないのです。 特にこの10年ほど、 Tシャツにジーンズ、スニーカーでどこへでも行っていいという 提案を、女性向けの雑誌がたくさんしたのでなおさらです。 Tシャツ、ジーンズ、スニーカーだったら、イオンやヨーカドーで十分買えます。 「別に要らなくね?」ということになったのです。 「ハレ」の日の衣服というものが必要なくなったのです。 お金もないし、「おしゃれだから」という理由で どこへでもTシャツ、スニーカー、ジーンズまたはウエストゴムスカートで行けたら、 特別に着飾ったいい服なんていらないです。 買うのは一部の服好きや、インスタグラムで毎回違う服をアップしたい人だけです。 でもまあ、お金のほうが先でしょうか。 日本のジェンダーイクオリティが改善されない限り、 売れない傾向は続くであろうと、 私は予測します。 Comments are closed.
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AuthorNaoko Kobayashi Archives
September 2023
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