麻とヴェルヴェット
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きのう読んだ本によると、
人間の視覚には、色とは別に、物体の表面の凹凸のみを感知する部分があるということがわかっているそうです。 それは、脳の疾患で色が見えなくなったにもかかわらず、 物体の凹凸は認識できるので、道を歩けたということからわかったということなのですが、 すると、私たちが着る衣服についても、 その凹凸を色以外の部分で、私たちは認識、判断しているということです。 年齢が上がって、肌のきめが粗くなると、 高級な素材のほうがよく見えるようになるのには、 そこら辺のこともかかわっているのではないかと思います。 高級な素材というのは、表面のきめが美しく整っていたり、 複雑な織りだったりします。 それがきめの粗くなった肌を引きたてるのでしょう。 物体には色だけではなく凹凸もあり、 それを触覚ではなく、視覚で判断しているとしたら、 例えばシルクサテンの白はよくて、ポリエステルサテンの白だといまいちな感じがするなど、 起こり得ます。 若い人向けの服を年齢が上がった人が着るとどこか違和感があるのは、 私たちが、素材の表面もきちんと認識しているからなのかもしれません。 Comments are closed.
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AuthorNaoko Kobayashi Archives
February 2021
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