麻とヴェルヴェット
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スーパーへ行くと野菜が高いのでびっくりします。
大根1本500円ぐらいだし、小松菜も400円とか。 長い正月休みが終わって、近所の農家が営業を始めたのでお買い物へ行きましたが、 そこだと値段は通常価格で、大根1本150円、小松菜も150円とか。 さすがにオーガニック農家の井上さんの野菜はすぐ売り切れてしまいますが、 手前の普通に農薬を使っている農家さんのお店はまだまだいろいろ売っていました。 ちらっと見たら、キャベツが200円とかでした。 でもなんなんでしょう? スーパー信仰でもあるのでしょうか。 必ずしも近隣の人が農家で野菜を買うわけじゃないのです。 安くてオーガニックで地元のものなのに・・・ きのう、人間は何をディスプレイするために消費するのかという内容の本の 要約を読みました。 それによると、まず人間が一番にディスプレイしたいのは「知性」だそうです。 「知性」はすべての人にとって好印象なんだそうで。 なるほど。だから、伊達メガネをかけたり、 インスタグラムの写真をアップするのに、 読みもしない洋書がいっしょに写っていたりするのですね。 で、その本(アメリカの本)、最後に賢い消費者でいるためにどうしたらいいかという 指針がちょっと出ていて、それが、 借りる、 中古品、 自分で作る カスタマイズする、 ということで、私と言っていることが同じです。 「小売で新品のブランド品を定価購入するのは最終手段」だそうです。 ちなみにこれはディスプレイの話なので、 日常の食料品は関係ありません。 何がいいたいかというと、 何をディスプレイするかという最終目標が決まっているなら、 それを実行するために賢い消費者になればいいということ。 本当にそう。 日常の食料品は関係ないですけれども、 考え方を柔軟にしようという意味では同じ。 野菜はどこで買ってもいいのだから、 わざわざスーパーで買わなくても、 地元の農家で買えばいいのになと、 思うわけです。 なぜなら結果は、スーパーで買う以上にいいからです。 以前、「○○さんのお勧めをたくさん買ったのにおしゃれと言われない。
なんででしょう?」というような質問を受けました。 もちろん、日本の女性で褒める人は少ないというのも1つの理由ですが、 もう一つあります。 思いだしてほしいのですが、例えばエルメスやカルティエ。 この雑誌の読者が本当にエルメスやカルティエを買うのかしら? と思うような雑誌に広告が出ていますね。 あれはなぜかというと、 エルメスやカルティエのセンスと価値、そして価格が高いということを 広くこの世に知らしめるためです。 そうすることによって、買わない人たちのあいだにも、 ああエルメスね、カルティエね、すごいのねーという認識が行きわたります。 それがあるから、買った人も、ほかの人に対して、 これはエルメスなの、カルティエなの、とにかくすごいのー、 というふうに見せびらかすことができるようになります。 それがない場合は、それは自己満足。 ですから、他人からそのよさは認識されず、自己満足で構わない人にはいいわけですけれど、 そうではない人には、みんなが知っていない、ということは困るわけです。 前述の「○○さんのお勧め」は、 それを知っているごく小さなコミュニティ以外では知られていない価値です。 そのコミュニティを出てしまったら、 単純に色だとか、素材のクオリティやパターンの問題になります。 もしその○○さんのお勧めが、 実は色、素材、クオリティ、パターンとも大したことがなかったら、 他人にとってはそれは意味がないことになります。 つまり、おしゃれには見えないわけです。 ごく一般の人はファッション誌も見ませんし、 その○○さんも知りません。 話をしても、そういう人がいるんだ、ふうん、ぐらいなものです。 そのときにそれがおしゃれに見えるかどうかは、 そのものの本当の価値によるのです。 おしゃれと言われなかったということは、 コミュニティの外に出たら、別にそれはおしゃれではなかった、ということです。 どうやって多くの中から選んでいるのか、
それを皆さんは知りたいのだと思います。 で、いったい私はどうやって選んでいるのだろうかと考えてみました。 しかしこれがなかなか理屈ではわからない。 10代のころから服だけではなく、絵画、写真、映画と見てきたし、 その積み重ねの結果、瞬時に選べるようになったので、 長年の経験から培った勘としか言いようがない。 たぶん、それがないから選べないのだと思います。 けれども、なくても選ばなければならない。 だとしたらどうしたらいいのか。 それについて今、考えています。 なんか思いついたら書きます。 ということで、 私は勘で選んでいる、でした。 例えばテイラードジャケットがあるとします。
その着こなしはその人がどういうスタイルを望んでいるかによって、 変わってきます。 例を挙げると、 ・都会のオフィスへ行くときのスタイル ・モードが好きな人がコレクションを見に行くときのスタイル ・入学式に付き添うときのママのジャケットスタイル ・クラブへ踊りに行くときのジャケットスタイル ・銀行へお金を借りに行くときのジャケットスタイル これらは同じ形のジャケットでも、 スタイリングした後の姿は変わってきます。 踊りに行くときと入学式が同じということはありません。 つまり答えは一つではないのです。 また、トレンドによってもどのスタイルが今一番いいか変わってきます。 ファッション誌は大体のターゲットを設定することによって、 どういうスタイルを提案したらいいか、決めていると思います。 「ミセス」と「Ray」では全然違う。 そしてその雑誌の中でも、 ○○の場合、などというようにシチュエーションを決めてスタイリングを提案しています。 スタイリングの提案は、雑誌のような媒体が向いていると思います。 ということで、私は雑誌をやっているわけじゃないので、 スタイリングについては書かない、というか書けません。 あまりに違い過ぎて、統一見解はありません。 きのうフランス語のサイトの記事で、
フランス人は周辺諸国より靴を含む被服費が少ないという記事を見ました。 フランス語だったんで、ざっと読んだだけです。 EUの調査だったので、周辺諸国というのはギリシャとかでしたが、 EU内で下から3番目だったと思います。 被服費が少ない理由は、ずばりアパレルに興味がないから。 それから、賢くお買い物をするから。 使う額もそうですが、 日本の女性はまだまだ買いすぎだと思います。 私が実際に御宅に伺って見たケースで一番多かったのは、 お部屋が2つか3つぐらいのマンションで、 間口が1間のクローゼット全部と外にハンガーラックが2本みたいな感じ。 決して広くない居住空間に服が場所を取り過ぎていました。 ここのところ統計ばかりずっと見ていたのですが、 日本に住む女性はほかの国に比べてぶっちぎりに収入が少ないです。 統計に出ています。 それなのに、ほかの諸外国の人と同じようにお金を使っている場合ではないです。 もうちょっと考えてお金を使わないと、 と思うのですが、あんまり皆さん、聞いてくださいませんのよね。 まあ、いいですけど。 最低時給が日本の倍近くあるフランスでさえ、大して使ってないのですから、 できないことはないと思います。 私はどちらかというと買い物でストレスを感じます。
特に1日じゅう何か買っていなければいけない旅はとってもストレスになります。 そんなわけで、服や靴なんかもそんなに買いに行きません。 去年の年末、初めてネットで中古品というものを買ってみました。 返品できないのでギャンブルです。 ちょっと心配だったのですが、全く問題ありませんでした。 けれども、中には偽物も混ざっていそうですね。 今回買ったのは質屋さんだったので、平気みたいですが。 ただ、オークション形式は、私には向いていないです。 価格が決まっていないというのが嫌です。 多くの人は欲しがらないもので、 だけれども、自分が欲しいもので、 状態がいいものだったら、中古品もありですね。 選択の範囲が広がりました。 そういえば、
何年か前の冬、下着のレース部分が肌に当たって、 かゆみが止まらなくなったことがありました。 あのとき、オーガニックのものを選んでみたり、 いろいろしてみたのですが、 どうやら問題は素材が自然素材かどうかではなく、 素材に凹凸があるかどうかだということがわかりました。 今年もずっとシルクのキャミソールを着ていたのですけれども、 やはりシルクだろうとなんだろうと、 化学繊維のレースの部分が当たるとかゆくなります。 というわけで、冬場はもっぱら無縫製の下着に落ち着きました。 日本製のものがあるので、同型のものを色違いで買います。 ポリウレタンが多めに入っているため、割とすぐにだめになりますので、 同じものを何枚か買います。 肌が弱くて、下着が当たるとかゆくなる方には無縫製の下着がお勧めです。 服でお金をかけないというと、
ファストファッションで身を固める方法を多くの方が思うようですけれども、 あれはジャンクフードの人が太っているのと一緒で、 栄養はないけどカロリーがあり、お金も結構使っています。 栄養はないけれどもカロリーはある。 つまり、心は潤わないし、大して好きでもない、 またものによっては長もちしないので、 その結果、たくさん持つ、しょっちゅう買いかえる。 お金を結構使っているというのは、 その人が使えるお金の割合において、という意味です。 ほかの人から見たら、その人の被服費は少ないかもしれないけれども、 その人の家計で見たら、結構な額。 これは、私が皆さんのワードローブを見てきてわかったこと。 明らかにファストファッション依存の人はこの傾向がありました。 ファストファッションで少なくではなく、多く持って、 いつも買っている。 よって、私はファストファッションでお金をかけないなんていう方法は採用しません。 今、伝授した20代女子も、 徐々に○ニクロを排除しつつある。 あと少しで完全に脱却です。 もちろんそれは好みの問題です。 私はジャンクフードで太るようなことはしない、それだけです。 今年の多くの人のテーマは、
お金を使わないでいかに豊かに、幸せに暮らせるか、 ということではないかと思います。 もう既にその手の話は、特に若い人たちのあいだで広がっていて、 実行している人たちもたくさんいます。 湘南でシェアハウスなんていうのもよくあること。 なんといっても家計のうち家賃は高い割合をしめますから、 ここを節約するのが一番よいわけです。 私は、特に若い人は服なんかにお金を使っていないで、 勉強するか、貯金するかしたほうがいいと考えています。 その気になれば、大したお金もかけずに最大の効果を生み出すことができます。 (その方法については、細切れだけれども、ブログにちょこちょこ書いてきました) 私は最大の効果を生みだすと知っているし、 できるけれども、 ほかの人はどうかということで、 去年の後半から、25歳の女子にその方法を伝授してきました。 それまでも基本はできていましたけれども、 この方法が大体わかった今、目を見張るほどの変化がありました。 どんな服を買うかについてもそうですけれども、 ワードローブの稼働率が9割です。 ちなみに私は、買ってタンスにしまってあるのに着ない服をゾンビ服と命名いたしました。 こうなると、悩みは「服はあるのに着る服がない」ではなくて、 「素敵な服はあるけど、着ていくところがない!」になります。 最近、私は仕方がないので、家の中でいい服を着てしまったりしています。 そんなわけで、この方法について、 今年は中級という形でレッスンをしたいと思いますので、 知りたい方はぜひどうぞ。 "VETEMENTS partnered with Saks Fifth Avenue to underline one of the biggest problems of our generation — garbage. Garbage is what most brands produce today. Mountains of stock are buried in outlet stores and stockrooms and have little chance of finding anyone who will want to pay for them. Overproduction is a huge problem that the industry tries to hide as it chases after fake numbers and reports of constant growth. Saks was brave enough to support us to start a conversation about it by offering its main windows. We need to realise that sometimes less means more."
"Fashion is a very dirty industry. Deadstock in the US amounts to $50bn every year. After the oil industry, fashion is the second-biggest polluting industry in the world. Fashion chief executives scream about sustainability, and how they plan to cut carbon emissions by 40 per cent and reduce environmental impact by 50 per cent in every interview. But none of those brands seem to understand that a much easier solution is just in front of them. Preventing overproduction in the first place would have an immediate effect on reaching those sustainability goals. The industry talks about conspicuous consumption — buying for the sake of buying — as the reason behind the growth in the luxury segment. But brands are producing more product than there is demand for. I call it conspicuous production, producing for the sake of producing and artificially inflating the numbers." #VETEMENTSxSAKS Vetements Official Instagramより |
AuthorNaoko Kobayashi Archives
April 2024
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