麻とヴェルヴェット
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もうロンドンファッションウィークが始まっておりまして、
どんどん大物がコレクションをしております。 そして、昨夜、クリストファー・ベイリーの最後のバーバリーのコレクションがありました。 あー、感慨深い。 クリストファー・ベイリーにかわったばっかりのときも覚えています。 2000年ですか。 すごくよくなったんで、びっくりしたんですよね。 さて、今回のテーマはレインボー。 文字通り虹色と、そしてダイバーシティーということで、 男もスカートをはこうぜ、おー、みたいな、 そんな感じでした。 テーマ先行な感じで、完成度としてはいつもほどじゃなかったのですけれども、 言いたいことをきちんと表現する態度はさすがでございます。 そしてお得意のレース、トランスペアレント、スパンコールの刺繍のドレス、 それにトレンチコートやダウンベストを合わせるというスタイルがメイン。 ドレスの丈もどんどん長くなってロマンティック。 それから、私が個人的に次はこれがきそうと思っているシノワズリーのプリントも 使われていました。生地屋が作りだしたのかもしれません。 ブロンスキービートの曲がたくさん使われていたのも印象的。 楽しくていいコレクションでした。 そしてきのうもう一つすごくよかったのがマルベリーのコレクション。 ジョニー・コカというセリーヌにいた人になって2年目ぐらいなんだけれども、 エドワーディアンをテーマにした、 本当に色がきれいで、夢のある、まさに「デザイナーが考えた服」で構成された、 とてもいいコレクションでした。 そしてもう一つのいい点が、これらすぐにでも着られるというところ。 お金持ちだったらこういうのをたくさん買って着るわ!と思ってしまう、 そんなアイテムばっかりです。 こちらもシノワズリーのプリントが出てきているので、 今後、徐々にふえるでしょう。 残念ながら日本ではウエアを扱っていないようなので、実物が見られません。 www.mulberry.com/gb/ ロンドンコレクション、ミラノコレクションと楽しみは続きます。 jp.burberry.com/london-fashion-week/february-2018-show/ 去年の11月ごろから、
20代女子にチープシックを伝授していて、 その実践の発表の場として、2人で江ノ島へ行ったり、 江ノ電へ乗るんですけれども、 そうすると必ず デート中のカップルの男性がこちらをちらちら見ます。 私たち、こういうときは決してジーンズなんてはきませんし、 ちょっとおしゃれをして江ノ島、鎌倉方面へ行くという設定なので、 きれいめな格好をして行きます。 かつ高価なブランドバッグなんかも持っていませんから、持っていきません。 その結果、みんながちらっと見るわけです。 で、そういう男性の隣の彼女って、ジーンズにスニーカーみたいな人で、 デートだからとびきりのおしゃれをしてきました、という感じがない人。 別にジーンズとスニーカーがおしゃれではないと言っているのではなくて、 特別おしゃれな感じはしない、ということです。 江ノ島、鎌倉あたりのフレンチやイタリアンなんかは、 ちょっと高級で、ランチを予約していく感じですから、 そういうところに行くにしても、 ちょっとおしゃれをしていくにはふさわしい場所。 これが超田舎の車のデートで「びっくりドンキー」に行くなら、 ジーンズとスニーカーでいいと思うのだけれども、 湘南エリアはそうじゃないし、 シーンとしてもおしゃれのしがいのある場所。 なんかもったいないなと思います。 有名なブランドの高価なバッグなんかいらないので、 スーパーへお買い物へ行くようなスタイルとは違うおしゃれな格好をすれば、 それは想い出にもなるでしょう。 ところで、男はデートの彼女がジーンズとスニーカーできたらテンション上がるのかしら? おお、おれの彼女かわいいなとか。 知らないけど、そうなのか? きのうは所用があって、江ノ島まで行ってきました。
そうしたらなんと、そこには白いフクロウを腕に乗せて歩いているおじさんがいました。 すごいかわいかったんで、なんていうフクロウか聞いたら、 メンフクロウだということでした。 初めてフクロウを間近で見ましたが、 なぜフクロウを連れて歩いているのか謎。 そしてフクロウは夜行性なのに、昼間に散歩して眠くないのかとか、 いろいろ余計なことを考えてしまいます。 さて、江ノ島はデートをしているカップルがたくさんいますけれども、 中にはせっかくデートなのにジーンズにスニーカーという女性が結構います。 私、他人はどうでもいいので、 だからといってどうもこうもないのですけれども、 バッグだけやけに高級品で、 ジーンズとスニーカーみたいな30代以上の女性、多いです。 バッグだけサンローランとかヴァレンティノ、みたいな。 でも、ジーンズとスニーカーって、 江ノ島あたりだと、年配のおじさん、おばさん、小学生、 みんなやっている格好で、 おしゃれとは関係ないスタイルです。 デートしている相手も同じような色のジーンズとスニーカー。 みんな、おしゃれおしゃれって言うけど、 それほどでもないよねって、思います。 別にいいんですよ、それで。 かえって、二十歳前後の子たちのほうが、 お金はないなりにいろいろやっていて、ほほえましい。 デートじゃないけど、江ノ島に来るのにジーンズとスニーカーみたいな子は、 多数派じゃなかったです。 お金がないからブランドのロゴが入ったようなバッグなんて持っていないけれども、 こういう子たちのほうがおしゃれについて考えているなと思います。 きのうはgettyimagesのストリートスナップを延々見ていたのですけれども、
これを見ることによってわかったのは、 The Sartorialistの眼力のすごさでした。 自分の名前でスナップ写真を売っているわけではない人が撮るのは、 有名なエディターやらセレブやら、 そうでなかったら、ブランドバッグとか、ブランドのロゴ入りのアイテム。 けれども、The Sartorialistを見ると、 ほとんどそれがありません。 全くないというわけではないけれども、 ブランドバッグを見せびらかすようなコーディネートは絶対撮っていません。 たくさんの人の中から、 どこのブランドかはほとんどわからないようなスタイルだけを見抜く力はすごいです。 もちろんハイブランドのものを着ていないわけではないです。 あのストリートスナップに出てくる人たちは、 ヴィンテージや中古などをうまくあわせて、 こっそりハイブランドのものを着ています。 けれども、それだけが目立つというスタイルは載せていません。 それとは逆に、gettyimagesに上がっているストリートスナップは、 わかりやすくロゴがついていたり、 マークがついていたりするものばかり撮った写真が多く、 写真家としての眼力がないからこういうことになるのだとばればれです。 The Sartorialistは本当に勉強になるので、 これからも見ていきます。 フィリップ・リムのコレクションをよく見ていたら、
貝がらのイアリングが出てきました。 これもまた、江ノ島の土産物屋で売っていそうなタイプ。 その他、貝がらネックレスも出てきて、 さすがにこれは作れそうだなという感じではなかったけど、 貝がらイヤリングはちょっとできそうです。 いや、私はやらないけど。 もう既に18・19年の秋冬コレクションが始まっています。
トム・フォードやボッテガ・ヴェネタは終わりました。 傾向としては、 やっぱり色がきれい、ということ。 赤、黄色、ピンクあたりは定番で、 スーツやコートもたくさん出ています。 そのほかは、素材が凝っていて、ゴージャスになっている感じがします。 トム・フォードもスパンコールの刺繍だったし、 ボッテガ・ヴェネタは、すごく凝っていて、 画像ではよくわからないくらい。 素材が凝っているブランドが多いです。 それからセーターは引き続きビッグシルエット。 そして凝った模様の編み地。 ビッグシルエットで凝った素材というのが大きな傾向です。 とすると、 これはとても高価なものになります。 だからこのまま一般に広がるということはないです。 どこまでこれが落とされるかわかりませんが、 ちょっとだけ刺繍とか、 ちょっと凝った編み地とか、 そんな感じになるのではないでしょうか。 きのう、バケツやほうきなんかの掃除道具を買いに、
ホームセンターへ行きました。 そうしたら、そこには作業着コーナーがあって、 ディッキーズなんかが並んでいました。 ただしメンズだけ。 それを見ていたのですけれども、どれもデザインと細部がよいではないの。 ワークジャケットもワークパンツも、凝っているし、 機能性もばっちり。 継続的に売るものだから、パターンもある程度完成されていると思います。 サイズを選択すれば、シルエットも今風になります。 「どうして男はこれを着ないの?」とか叫んでいたら、 近くにいたちょっと年配のおじさんが私たちが騒いでいるのを聞いていたらしいです。 今、NYコレクションをやっていますけれども、 メンズはこういった作業着のゴージャスバージョンがとても多いです。 素材や付属が違うだけで、 作業着というくくりでは同じ。 例えば、こういう作業服売り場でいいデザインのものを選んで、 セットアップで買うわけよ。 それで、ベルトだけ奮発して、オフホワイトとか買っちゃえば、 めちゃくちゃ今風かつおしゃれになるではないですか! ベルトは1年じゅうできるから、そんなに高い買い物でもないし、 ジーンズなんかはくよりこっちのほうがだんぜん格好いいです。 男はこういった本気の作業着とスポーツウエアと、 ちょっとなんかいいアイテムを入れれば、おしゃれに見えるし、 大してお金もかからないと思います。 ただ、どういうのがいいデザインなのか、わからないのかもしれませんね。 流行は簡単で、取り入れやすいものから伝播するといつも書いてますけれども、
ではメンズもどうですか?というと、 メンズも同じです。 きのう、バンプのライブに行きました。 そこで売られていた物販の長袖Tの袖山に描かれたロゴが、 ヴェトモン風でした。 これはユニセックスのものですが、 そうやって、デザインというものは真似されて広がっていきます。 ちなみにチャマはおしゃれなので、 OFF WHITEのベルトをしていました。 リアルにやっている人を初めて見た。 ヴェトモン、オフホワイト、バレンシアガあたりは、 これからどんどんメンズに影響を与えるのではないでしょうか。 案外、取り入れるのも簡単だし、 それほどエキセントリックではありません。 別に「女たるものおしゃれであるべき」などとは全く思わないのですが、
だからこそ、 おしゃれかどうかでいろいろ言われるのは嫌なので、 効率的にポイントを押さえて、 はい、これなら文句ないでしょ、ということをやればよいと思います。 ポイントはあるから。 だから、そのポイントについて書いている。 もちろんそれをやるかどうかは、 自由なので、 絶対にそれをやれ、などとは言っていません。 そうじゃなくて、 知っていたらいろいろな嫌な思いをしなくてすむし、 安心なので、 知識として持っていたらいかが? というところまでが私の仕事なので それをやれとまでは言わないです。 いつもそうだけれども、 それを摂取したら病気になるという、 その摂取する物質がわかっていても、 それを教えるところまでが私の仕事だから、 それをあえて摂取しても、何も言わないです。 もうずっとそういうスタンスでやっています。 今年の春夏もまた、
ウエストゴムのスカートやらパンツやらがいろいろ出ることとは思います。 それは確かに楽ではあります。 けれども、楽と引き換えに失うものがあります。 失うのはしっかりした服としての形ですから、 ウエストがゴムだと、造形的な美しさは作れません。 すると、特に肉体がしっかりしていないと、 端的に言えば、贅肉が多いと、 それをカバーすることができません。 やせていたり、 運動をしっかりしている人がウエストゴムをはくのはいいんです。 けれども、そうでない場合は、 ウエストゴムだとウエスト周りの補正ができないので、 かえって太って見えます。 多くの人は楽を選びますけれども、 楽と美しさはなかなか両立しないのです。 |
AuthorNaoko Kobayashi Archives
May 2023
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