麻とヴェルヴェット
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私が、服をたくさん持たないで、
適当に新陳代謝していったほうがいいといつも言うのは、 自分自身も変わるし、時代も変わるし、流行も変わるので、 常に更新しなければならないからです。 たくさん持ってしまったら、それができないです。 大体、前年に着ていたものは全部手放しますなんていうのは、 子供以外にほとんどいないので、 いつでも前のワードローブに足していく形になります。 けれども、人はいつも更新していますから、 同じふうに足せばいいかというと、そうでもないです。 変化が前提ですから。 で、この軌道修正は、そんなにはっきり修正という感じではなくて、 微妙なずれを修正程度なことが多いと思います。 けれども、その微妙なずれを放っておくと、 日々気持ち悪い。 微妙なずれを1枚ずつ修正していくのが実際かなと思います。 だから簡単に次の1枚は決められないでしょう。 ずれを修正するときは特に、熟考が必要だと思います。 最近、マイケル・ジャクソンやダイアナ妃のファッションがよく取り上げられています。
あんなに、格好悪い、恥ずかしいと感じていた80年代スタイルが、 ここへきて、格好いいかも、かわいいかもと感じる不思議。 なんでしょう。 70年代までは平静にファッションとして見ていられたのに、 80年代はこれまで、見るとなんだか心がざわついて、 落ち着いて見られませんでした。 それが今やっと、なんかいいような気がしてきました。 まあそれも、 ビッグシルエットとか、太い眉とか、アクセサリー多めとか、 今の流行が80年代とかぶる部分がたくさんあるからなんだと思いますが、 先日の2019年SSメンズのバルマンも、 マイケル・ジャクソンがテーマで、 本当にこれから、80年代風がくるかもしれません。 微妙ですが、 20代とかには、新鮮に見えるかも。 関係ないですが、道端にもうカブトムシが落ちていました。 もう生まれたらしいです。早い! 「カブトムシ」と言えば、aikoで、 あれはいつだったっけかと検索したら、1999年でした。 そんなに昔か。 インテリアについて考えたり、計画したり、実際に買ったり、整えたりするのは得意でしょうか。
インテリアも、どちらかといえば、全体よりもモノなど、部分を見る傾向にあるのではないかなと、思います。 例えばこの椅子とか、この照明とか。 けれども重要なのはその椅子なり照明なりを置く空間なわけで、 壁の色や家具の配置、サイズ、その他、全部がそろって初めて椅子や照明が生きてきます。 部屋全体の雰囲気にそぐわないと、 名作の椅子を1脚置いてもなんだか変です。 全体を構成するためには、そのための考え方が必要で、 いきなりはうまくいかないでしょう。 これも訓練なので。 何がどう違うのか、 どうやったらそれが身に着くのか、 ちょっと考えてみたいと思います。 こう日差しが強い毎日が続くと、
やはり考えるべきはUV対策ですね。 おととい、また長袖シャツが破れてしまって、 私の夏の作業時用の長袖シャツが全滅してしまいました。 (全滅って、2枚だけど) 本当にないので、買わなきゃいけないのだけれども、 今買うなら、UVカットがされるのじゃなきゃ嫌ということで、 結局、スポーツウエアにしました。 また、肌だけではなくて、目も気をつけなければなりません。 帽子+日傘+サングラスが最強でしょう。 おしゃれとかいう前に、 UV対策をしましょう。 1年以上、British Vogueを買って読んでみてわかったのは、
日本の雑誌と違って、スタイリングのページが中心だということです。 (そのほかにもブクレジットなどの政治的な話、社会問題、環境問題などの記事も必ずあります。) 日本のファッション誌は、スタイリングのページもありますけれども、 それよりも、商品一点一点の説明に割かれているページが多いです。 あと、スタイリングがしてあるページも、設定されているシーンのバラエティが乏しいです。 その結果、日本のファッション誌ばかり見ていた人は、 スタイル全体を統合的に見るのではなく、 バッグならバッグ1点のみを注目して見るくせがつくようになり、 そうやって、注目した1点をただ集めてスタイリングするので、 全体がばらばらになるのではないか、 と思いました。 おしゃれに見えるとか見えないとかいうのは全体の問題なので、 そのバッグがどのブランドでどうだとか、そういうことではありません。 バッグだけやけに高いものを持つと、 それはそれでおしゃれには見えないです。 たぶん一般の人はルックを見ても視点が全然違うのだと思います。 一点のみ注目するので、全体を構成する力は身につかない。 料理のたとえで言えば、 材料1点1点の味はわかっているけれども、 それらを構成して1つの料理は作れないみたいな、 そんな感じです。 チョコレートとラズベリーは合うかとか、 りんごとシナモンは合うかとか、 いちじくと抹茶は合うかとか、 合う、つまりおいしいなら ならどうやって統合させようかと、 そういうことを考えて、できるようになったら料理ができるのと同じ。 そういえば、昔、 絵がうまい人は料理も得意だってイラストの先生が言っていたな。 そうかもしれないです。 シェアする、つまり共有することについて。
これからますますシェアリングエコノミーが進むと思います。 私の観察からしても、 年齢が下がれば下がるほどに所有にこだわっていないようです。 所有にこだわらないので、借りればいい、という話になります。 で、インスタグラムを見ていたら、 しつこく某レンタルバッグの広告があらわれるので、 どんなものを貸してくれるのか、見てみました。 確かにいろいろあります。最新モデルや、特徴的なものはないみたいだけれども、 オーソドックスで、ちょっと前に出たもの、 みたいなものだったらたくさんあります。 バッグをとっかえひっかえしたい人は、レンタルすればいいでしょうね。 ただし、これ、思うのだけれども、ビジネスとして成立するかはちょっと疑問。 バッグの仕入れ値と人件費、固定費その他で経営は圧迫しているのではないかと。 (赤字じゃないのだろうか) そうなると、どんなに高いバッグでも、 借りればいいじゃんってことで、借りる人がふえます。 すると所有に価値はないので、持っていて見せびらかすという行為が無効化します。 好きで持つ分には構わないけれども、見せびらかしのために持っていた人は、 意味がなくなります。 中古もどんどん出てくるし、それが幾らしたかなんてもうわからない。 つまり、意味を持っていた情報としての記号の崩壊です。 それはもうすぐそこまできています。 あと、買うときもシェアできそうなものを買うでしょう。 最初からシェア前提。 そうすると、予算額は上がり、クオリティの高いものが買えます。 服に関しては、問題はサイズ。 サイズが近い人が身近にいるといいですね。 引き続きシェアしていきましょう。 先日いらしたクライアントさん、
服の感じが変わって全然よくなっているので聞いたら、 全部中古でそろえたということでした。 新しくはないけれども、クオリティが高いものの中古なので、 お金は大してかかっていないのに、前よりよくなっています。 そのときに履いていたボトムがパタゴニアのものでした。 パタゴニアのショップでは定価のものと一緒に中古も売られていて、 そこで買ったのですって。 パタゴニアは自社製品を回収していますからね。 パタゴニアのこういった取り組みは、 90年代に、たまたま買った庭の雑誌に載っていて、 初めて知りました。 そのときは、世の中にこんな企業があるなんてと、 驚いたものです。 あのころから進歩的だし、一貫性があります。 中古と新しいものを同時に売っても平気というこの自信と徹底ぶり。 素晴らしいです。 ファッションレッスン中級を8月4日(土)湘南くじら館において開催します。
7月4日より募集開始です。 内容は、服、靴、バッグの選び方、買い方です。 これを変えることによって、かなりグレードアップするとわかりましたので、 これが中心です。 その他は、買い方に必要な流行サイクルについて、 あといい服とはどういうことか、何をチェックするかなど、 やっていきたいと思います。 それから「ときめき」ではない、身体にきくチェック方法の実習もやります。 対象者はファッションレッスン初級を受講した方、 また、以前、パーソナルファッションレッスン1,2を受講した方です。 詳しいお知らせは直近になったらアップします。 また、ファッションレッスン初級は9月1日(土)@湘南くじら館で開催です。 8月1日から募集しますので、ご希望の方は随時チェックをお願いいたします。 以上、お知らせでした。 夏のあいだじゅう、
ゴミ出しとか、近所へ買い物へ行くときにいつも着ていた、 オルタナティブのコットンリネンのシャツがついに破けてしまいました。 長袖なのに涼しいし、着丈もあるし、 ひももついているし、最高だったのに、さすがにびりっと破けたので 着られそうにありません。 何年も着ているし、洗濯したので、生地が弱くなってしまったようです。 持続可能性のためにいろいろやっているアパレル企業もあります。 また、例えば海外のヴォーグなんかは、 必ずサステナビリティに関する記事を載せます。 きのうもブリティッシュヴォーグに載っていたサステナビリティに関する記事を読んだのですが、消費者がやるべきこととして、 最後まで着る、という当たり前のことが書いてありました。 それはそうです。基本はこれです。 次には、 リサイクルする。 ステラ・マッカートニーが指摘したように、 アパレル商品って1パーセントしかリサイクルされないんですって。 もっと中古を利用しようということ。 それから、 クオリティが低く安く売られているものを買うのを減らす、 クオリティが高く適正価格で売られているものを買う。 これも本当にそうなんです。 あとは、透明性の高い企業のものを買う。 どういう原材料を買って、どこで誰がどうやって作っているかとか、 そういうのがわかるところのものを買う。 まあ、これが一番難しいです。 はっきり開示しているところは少ないですから。 そういう意味で、フェアトレードは推奨です。 あとオーガニックコットン。 もちろんそれがいいです。 選べるものは選びましょう。 きのうは、ヴァ―ジル・アブローのルイ・ヴィトンでのデビューコレクションでした。
すごかった。 この衝撃は、アレッサンドロ・ミケーレのグッチのデビューコレクション以来のものでした。 あんまりすごいので、 最後はみんながスタンディングオベーション。 そんなコレクションは滅多にありません。 テーマはレインボー。 つまりダイバーシティー。 肌の色とか国籍とか年齢とか、クラスとか、超えていこうぜというメッセージ。 レインボーのランウェイの周囲には、 もらったTシャツを着たデザインスクールの学生たちも招待されて並んでいます。 (いいなあ) みんなが心配していたのは、コンセプト先行で内容はついていくのか、 ということだと思うんだけれども、 いやいや、心配ご無用。 デザイン的にも優れている。 そして、これは絶対に売れる。 今までルイ・ヴィトンなんてどうでもよかった人に買いたいなと思わせるデザイン。 アメリカのヴォーグの解説では、ディテールは90年代のヘルムート・ラングみたい、 ということだけれども、 確かにそうね。あれが好きだった人にはたまらない感じです。 それから、蛍光色なのにシックに見えてしまうのは、 割としっかり全体を3色以内におさえているから。 これは価値感の革命。 (天王星が牡牛サインに入ったばかりだし) ファッション業界に殴りこみで、今までの価値感のちゃぶ台返し。 本当の意味でクレバーなアフリカ系の人たちがファッションを変えていきます。 そしてこれは始まりにすぎないのです。 でも、これ、絶対売れるから。 (そして、みんながコピーし始める) 来年の正月すぎから展開でしょうか。 ルイ・ヴィトン、見に行かなきゃ、ですね。 |
AuthorNaoko Kobayashi Archives
September 2023
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