麻とヴェルヴェット
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服は余っています。
同時にそんなに売れていません。 日本において、衣服の市場への流通量は90年代の2倍。 私が働いていた90年代も服は余っていました。 私がいた、東京コレクションに参加していたブランドも余っていて、 サンプルセールなんかやっても、それでも余剰は出ました。 するとどうするかというと、 通称バッタ屋さんというトラックに乗ったおじさんがやってきて、 その人にいくらかで売っていました。 その先はどうなるのか、生産管理の人に聞いたら、 タグをとって、東南アジアで売られるだろう、とのことでした。 また、余剰生産分の生地なんかは、日暮里の生地屋さんで売られていたものです。 現在の余剰生産分がどうなっているのか、 正確なところは知りません。 焼却処分のものもあると思います。 しかし、そろそろ気づいたほうがいいです。 どんなにたくさんの服を売ったとしても、 必ず何人かはは「服が売っていない」と言うでしょう。 無限の欲望を満たすことなどできません。 ただ、そろそろこの生産量もピークだと思います。 売れる量も減るでしょうし、 会社も維持できなくなるでしょう。 きのうは珍しく夜にひと仕事してきました。
いらした皆様、楽しんでいただけたでしょうか。 ありがとうございました。 相変わらず、話が短くてすみません。 (なんかいつも、早く終わらせたくなっちゃうのよね。なんでかな。 次からはもうちょっと長くするよう頑張るというか、工夫してみます) で、きのう話していたのは、 ワードローブ構築と、 夢や理想の実現は同じという話。 理想のビジョンを作って、それをキープする。 自分の現在地の確認。 何を持っているか、 何が足りないか、 そして何ができるか。 そうしたら、理想のワードローブ(ビジョン)まで一枚一枚(一歩一歩)、 築いていく。 そうしたら、ある程度のところまでは必ずたどりつきます。 多くの人ができないのは、 この理想のビジョンの維持。 長く持っていられない人が多い感じがします。 あとはビジョンがはっきりしない人も多いかもしれない。 私のように好きと嫌いがはっきりしていて、 これだけは絶対にやりたくないというものがある場合、 はっきりするのですけれども、 多くの人はそうではないかもしれませんね。 それはなぜか。理由は人それぞれなので、 一概には言えないです。 好きなものを否定されて育った人もいるし、 それはわからないです。 いずれにせよ、 地道に一歩一歩進んでいればたどり着くよ、という話をしました。 ただ、自分以外の人の欲望を生きてはいけませんね 自分以外というのは親、先生、社会とか。 なぜなら、最終的にはその人たちは選択の責任をとってはくれませんから。 それもワードローブについてと同じ。 選択と責任という、いつもの話をしたのでした。 来週の天気予報を見たら、
湘南エリアも来週は37度までいくらしく、 これは本当に考え方を変えなければいけないなと思います。 それで、では湿度が高く、かつ暑い国の皆さんってどんなワードローブなのか推察したところ、 たぶんたくさん持っていないだろうなと。 なぜかというと、湿気やかび、害虫などありますから、 たくさん持っていたとしても、そういったものにやられてしまうから。 その点、ヨーロッパは持っていても長もちさせることができる気候だと思います。 湿度が高く暑い国では、まずたくさん持たないでしょうと。 あとは、自然素材のものが多いのではないかと。 なぜならそのほうが快適だからです。 (ただ実際はよくわかりませんけど) それからあと思い浮かぶのは、暑い国と地域は、 どこも装飾が華やかであるということ。 インドのジュエリーもそうですし、 アフリカの部族の装飾品もバラエティに富んでいます。 あとすごく日差しが強いエリア、例えば砂漠なんかでは露出しないで隠しますよね。 暑さもすぎると、隠すほうが涼しいということになります。 日本もだんだんと、夏はそうなっていくのではないでしょうか。 洋服ですけれども、西洋の真似だけではもうそろそろ無理でしょう。 おととい、某ハイブランドのバッグの素材についていろいろ見ていました。
するとそのブランドのバッグは内側にポリウレタンが使われていることが多い、 ということがわかりました。 ということは、これは劣化しますよ、ということです。 今、日本は非常に高温多湿です。 当然、ポリウレタンの劣化も進みます。 私なら、この値段でこんなにポリウレタンが入ったものは買いません。 こんなに高いのに3、4年でべたつきが始まるのなら買わないです。 一方、きのう、今でも使っている古いソファがどこの会社のものなのか、 検索していました。 このソファセットは、中学生の時、私がこれがいいからこれにしようと提案して、 うちの親が買ったものです。 すると、この会社はまだ存在していて、ショールームも表参道にある(プラダのすぐ近く)、 ということがわかりました。 しかも、その古い家具を今でも修理してくれるのです。 (修理だけではなく引き取りもやっていた) もちろんシートのはりかえなんか頼んだら、相当高額でしょうけれども、 80年代のものをまだ修理して使えるようにしてくれる会社はすごいと思います。 これは選択の問題なので、人それぞれ違うでしょう。 私はやっぱり長もちするものがいいし、 修理できるものは修理して使っていきたいです。 最近、スーパーや映画館なんかでもそうですけど、
アラフォーぐらいの夫婦で、 夫と妻、ほとんど同じスタイルという2人をよく見ます。 で、夫が妻に似せている、つまりスカートやブラウスを着ているということはまずないので、 この場合、妻のほうが夫と同じ、Tシャツやポロシャツにジーンズやチノパンツ、 そしてスニーカーみたいな感じです。 髪の毛がショートカットだったりすると、 後ろから見てそっくりだったりします。 これはなんでなのかなと考えていたのですが、 さっきひらめいたのが、 この夫婦にとって、家というのも会社みたいなものなのではないかな、ということです。 会社みたいに経済活動の1単位なんで、 そこには男女のカップルみたいな位置づけはない。 すると、工場で働く従業員みたいに、 働きやすい、男女差ほとんどなし、みたいな格好になるのではないかなと 思ったんですけれども、 どうでしょうか。 日本の人が割と簡単に、「何を着ていいかわからない」となる理由の1つに、
古いところから学んでいない、というのがあるのではないかと思います。 というのも、外国の雑誌やWEBを見ていると、 しょっちゅう古い女優さんなんかのスタイルが出てくるんです。 どれぐらい古いかというと、グレタ・ガルボとか、 マレーネ・ディートリッヒとか、当たり前のレベル。 日本で言ったら、小津映画の原節子さんとか、そういうのと同じ。 そういうスタイルを毎週毎週何かしら見ていて、 それで知らぬ間にスタイルについてわかるようになる、 というのが洋服を着る文化の人たちではないかと思います。 そういう「クラシック」なスタイルがあってこその着崩しだし、 はずしだし、 ディコンストラクションなわけで、 何もないところから崩れているわけでもはずしているわけでも、 構造が壊れているわけでもありません。 日本の場合、この「クラシック」なスタイルに関しての知識がないから、 特にいい年の大人になるとどうしていいかわからなくなるのではないでしょうか。 歴史といっても、たいした古さではありませんが、 今でも参考にしているのはそれで、それは無視できないです。 具体的にどうしたらいいかといえば、 やっぱり古い映画を見るとか(オードリーでもキャサリン・ヘップバーンでも、 もちろんディートリッヒでも)、 写真集を見るとか、 そういうことをしていけばいいのではないかと思います。 きのう、なぜかピンクレディの話題が出まして、
Youtubeで動画を見始めました。 そうそう、こういう衣装だったよね、ということで楽しく見ていました。 70年後半から80年代にはやっていたので、 衣装もその当時はやっていたスタイルです。 ワンショルダー、フリンジ、スパンコールって、 けっこう今と同じです。 で、私ですが、 最近、ワンショルダーがいいなと思って、この前も着ていました。 なぜかひかれます。 なんか着たくなります。 それって、もしかして子供のころ、ピンクレディを見て、 私もこれ着たいって、思っていたからではないかと。 子供のころに着たくても着られなかったものがあって、 今着られるのなら、着たほうがいいと思います。 自分が好きなものを自分で買える、 それが大人ってことではないでしょうか。 プラムの季節が始まって約一カ月。
毎日、何かしらのプラム、またはアプリコットを食べています。 もちろん近くのオーガニック農家のもの。 毎年おいしいけれども、 今年のプラムがまたとんでもなくおいしくて、 これを食べていたら、ケーキを食べたいとか思いません。 だって、加工されたものより生のプラムのほうがおいしいから。 で、このプラム、オーガニックかつスーパーより安価。 にもかかわらず、売り切れるということはないです。 我先にとみんなが買いに来るということもないです。 どんなにいいもので、しかも安くても、 みんなが買うわけじゃありません。 なぜ買わないのか、理由はいろいろでしょうけれども、 推測するに、食べてみたことがないとか、 誰かのお勧めじゃないとか、 そんなところでしょう。 たかだか500円ぐらいのフルーツを食べてみようともしない、 という人がほとんど。 (おかげで私はいつも買えるからそれはそれでいいけど) 服も同じです。 いいものだからって、売り切れているわけじゃないです。 みんな、見もしないし、ましてや試着もしません。 だから残っています。 そういうものはたくさんあります。 大きな枠で見たら、これはとても損です。 みんな、望んで損をしているわけね。 それも人生の選択なんで、 勝手にどうぞという感じですけれどもね。 20年ぐらい座っていた私のアーロンチェアがついに壊れました。
座面が面白いほどびりびり破けて、座れなくなりました。 今は仕方ないので、ダイニングチェアでパソコンに向かっていますけれども、 これがまあやりにくいのなんのって、仕事にならない。(しますけど) 先月はシャツ2枚が破れたし、私は結構壊れるまでものを使うので、 だめになると復活は不可能で、買いかえです。 ただ、ここまで壊れてしまうと、捨てるのも本当に今までありがとうという感じで、 すがすがしい気持ちがします。 このところ多く取り上げられていたシンプル志向のものって、 「捨てる」に焦点が当てられたと思います。 だけれども、私みたいにあんまり買わない場合は、捨てるものは少ないです。 捨てるのは破れたり壊れたとき。 たぶん世の中には、たくさん持っているものを捨てて、その結果、ものが少ない人と、 最初からあんまり買わなくて、ものが少ない人と、 2パターンいると思うのよね。 で、だんだん後者がふえてくるのではないでしょうか。 なぜなら、 買えなくなるから。 壊れるまで使えるものを買うという購買行動に、 多くの人が移行してくると思うけれども、いかが? 私はこれからもパソコンに向かうためにまたアーロンチェアを買います。 なんか検索ワードが「ポリエステルは暑いか」ばっかりなのね。
ふつうのポリエステルは暑いです。 真冬に着るフリースって、ポリエステルでできてるでしょ。 あれはあったかいですよね。 基本、ポリエステルやナイロンは暑いんです。 ただ、ハイテク素材で、冷たく感じるポリエステルもありますから、 そういうのは暑くないです。 こういう質問が多い理由は、 真夏用にポリエステル素材のものを買っている人が多いから。 暑いのが嫌だったら、 コットンとかリネン、シルクを買いましょう。 もしくはハイテク素材のものね。 |
AuthorNaoko Kobayashi Archives
November 2023
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