麻とヴェルヴェット
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あれはいつごろだったでしょうか。
私も何度かフリマで売ったことがありました。 けれども、どんどん値切られるようになってきて、 それがだんだんひどくなって、100円、200円みたいな感じになり、 嫌になってやめました。 きっとほかの人もそうだと思います。 だったら、人にあげればいいや、みたいな。 それから、古着屋に持っていったこともあります。 そのときも、すごく買いたたかれて、なんだかなと思ったことがありました。 けれども、フリマアプリを使うとそれがない。 自分の決めた値段で売ればいいし、嫌なら売るのをやめればいい。 100円とか200円で売らなきゃならなかったり、 買いたたかれたりすると、なんだか自分に価値がないように思えて、 自尊心が傷つけられたけれども、 自分の売りたい値段で売ることができると、それがありません。 自分の売りたい値段で売る。 これは自分の労働にも言えることで、 労働が買いたたかれる、 つまり誰かの「コスパ」を実現するために使われると、 自尊心が傷つけられます。 そういえば、オーガニック農家の井上さんも、 値切る人は嫌ねって言っていました。 大変な思いをして作ったものを安く買いたたかれて、 嬉しい人は、まずいないでしょう。 私は新刊に書いたとおり、 アパレルの、今で言うところのブラック企業にいたことがあり、 それがものすごく嫌だったので、 そのときに、これからはお金を使わない楽しみをいろいろ考えて、 労働を安く売らないと決めて、今に至っています。 その過程で、チープシックが必要だったわけ。 もちろんこれは人それぞれ考え方が違うので、 みんなもそうすべきだ、なんて全然思いませんが、 そういう道もあるよ、ということは知っておいていいかもしれません。 考え方がそう転換したのは、 イギリスの田舎へ行ったり、パリでカフェ1杯でえんえんしゃべっている人たちを見たときです。 みんなの格好を見て、 なんだ、全然お金かかってないじゃん、と思ったのでした。 お互い納得の上でお金を払ったり、もらったりするって、 素敵なことではないでしょうか。 メルカリはそれが実現するので、人気なんでしょうね。 ☆引き続きトークイベント募集中。 今、ビフォア、アフターの写真、出せないかなと検討中。 相当面白いです。 古いものと新しいもの、
ヴィンテージとハイブランドや、サスティナブルなブランド、 両方取り入れていて、いつもおしゃれだなと感心するのは誰かというと、 Jenny Waltonです。 The Sartoriaristのスコットの今の彼女ですね。 このバランスがいいし、彼女は色遣いも本当にきれい。 この人は色をぴったり合わせてくるんですね。 あとみればわかりますが、いつも同じコートです。 今シーズンはいつもプラダの水色の花模様のコートでした。 ジェニーもインスタグラマーに入るのでしょうけれども、 決してとっかえひっかえという感じではないです。 チープシックの参考になる人を探している方は、 ジェニーのインスタを見てください。 あと引き続きトークイベントは募集中。 まだまだ大丈夫ですので、お時間がある方は是非どうぞ! 今週はファッションレボリューションウィークだったので、
関連の記事がBritish Vogueにもアップされていまして、 それによると、中古と古着市場が伸びているということで、 2030年までには、ワードローブの3分の1が中古品になるだろうということでした。 特に18歳から24歳のミレニアム世代は、 サステナビリティの考えとか人権意識が高く、 その世代は中古をたくさん買うとのこと。 古着、中古品を買うのは、いまや世界的な傾向なわけですね。 ただし、リサイクルされるのは全体の1パーセント程度だということで、 ステラ・マッカートニーなどは、それではまだ足りない!とおっしゃっています。 この18歳から24歳ですが、 私が知っている限りにおいても、30代前半までの層は、 割と中古が多いかなという感じ。 逆に、40歳前後みたいな人はけっこうファストファッションが多いです。 あとこの前聞いた話では、 10代はいわゆる日本のファストファッションのものは買いたくないそうで、 理由はおばさん、おじさん、おばあさん、おじいさんと同じになるから。 あと、色合いがどれもくすんでいて嫌だということでした。 確かに自分が10代だったら、お母さんより年齢が上の層の人と同じものなんて、 着るのは嫌です。 チープシック実践者は古着と中古を積極的に取り入れます。 26日のトークイベント、私もかおりちゃんも中古または古着、セール品、 取りそろえたコーディネートで登場予定ですのでよろしく。 きのうはいろいろお知らせをしたので、
メールチェックやその他の事務に1日を当てていまして、 それでも時間があったので、もう1点メルカリで売ろうと思ってアップ。 すると、10分ぐらいで売れてしまって、 売れるとあれこれ指令がやってくるので、落ち着いていられないです(私の場合)。 きのうは4年ぐらい前に買ったものを半額で出したら売れました。 未使用品ではないです。 すぐに売れてしまうようなものをよく買っているのねと、 我ながら自分の過去の選択に感心。 きのう初めて服を売ってみたんですけれども、 それは、ほとんどの人が知らないような日本のブランドで、 (もちろんハイブランドでもないし、コレクションもやっていない) でもセールはしない、たくさん作らない、その時期にしか売らないもの、 というものでした。 たぶんこれからも強いのはそういうブランドでしょう。 つまり、 セールしない、 たくさん作らない、 オリジナリティがある、 時期によって売っているものが違う、 そんなものを作っているブランド。 こういうものは転売してもすぐ売れてしまうので、 これからみんなも買うと思います。 だって4年前に買った何回か着た服が半額で売れるって、 すごくないですか? 皆さんも、これからはそういうものを選んで、 いらなくなったら売るといいと思います。 さて、もっと売りたいんだけれども、売るものがない・・・ 持っている量が少ないので、ないです。 ※お知らせ ☆5月26日のトークイベント募集開始していますので、 よろしかったらどうぞ。 本には書かないような、具体的にどこで何買ったか、 みたいな話もします。 ☆ファッションレッスン初級5月19日(土)@藤沢市 募集開始 2018年5月26日(土)に、
神奈川県藤沢市長後の湘南くじら館さんにおいて、 トークイベントを2回開催いたします。 内容は、新刊『お金をかけずにシックなおしゃれ 21世紀のチープシック』についてです。 今回は、実際にチープシックを実践してどうなったかを、 私と、去年からチープシックを実践してくれ、かつ「あとがき」部分のモデルとなったかおりさんの2人で、 どれだけ変わったか、どうなったかについてお話しいたします! 入場無料ですが、 新刊『お金をかけずにシックなおしゃれ 21世紀のチープシック』 をお買い上げくださった方が対象となります。 皆様、ぜひお越しくださいませ。 日時:2018年5月26日(土) 1回目 13:00~13:45 2回目 15:00~15:45 募集人数:各回30名 場所:神奈川県藤沢市長後 湘南くじら館(小田急江ノ島線長後駅下車徒歩5分) 対象者:新刊『お金をかけずにシックなおしゃれ 21世紀のチープシック』購入者 申し込み方法: メールに、 題名「トークイベント13時」または「トークイベント15時」とご記載の上、 お名前(本名)、 希望の回(13時または15時)をご記載の上、 fateshowthyforce@gmail.com小林まで、送ってください。 gmailをブロックしている方はメールが受け取れるように解除をお願いいたします) 先着順です。 募集終了、変更等は当ブログにて発表いたします。 以上、よろしくお願いいたします! そういえば、ちょっと前、
オフホワイトのヴァージル・アブローがルイ・ヴィトンのメンズのディレクターに就任されましたね。 日本でこれがどれだけ話題になっているか知らないけれども、 これはすごいことなんですよ。 (あ、ディオールのメンズのジュエリー部門にバーバルの奥さんのYOONさんが抜擢されたけど、それももちろんすごいのよ!) なぜかというと、ヨーロッパの老舗メゾンで初めてのアフリカ系、といってもアメリカ人ですが、デザイナーですから。 これは何を意味するかというと、 もう次の流れに舵を切った、ということです。 大体ですが、2020年ごろから次の流れは本格化して、 2024年でチェンジという感じになると思いますが、 次はスポーツ、アウトドア、ストリートスタイルなんです。 もう気の早い皆さんはやっていますが、 全体がそうなるのは2024年以降になるかなと思います。 日本だったら、オリンピックでスポーツ、みたいな感じになって、 そのままいくかな、という感じ。 そうすると、何が重要になるか。 肉体ですよ、肉体。 鍛えている人がかっこいい人になります。 これは身体を鍛えていない人には厳しいトレンドになりそうで、 今みたいな装飾もなくなりますし、 フェミニンも下火になっていきます。 フェミニン全開みたいなのが好きな人は、 今着ていたほうがいいです。 本日、後ほどトークイベントの募集開始いたしますのでよろしく。 『お金をかけずにシックなおしゃれ 21世紀のチープシック』KADOKAWA刊、
本日発売です。 ただし、本屋さんの店頭に並ぶのは金曜日ごろとのことですので、 実際に御手許に届くのもそのぐらいだと思います。 また、各電子書籍は同時に発売なので、電子書籍派の皆さんは、 お好きなところからダウンロードを! 海外在住の皆さんもダウンロードでどうぞ! ただし、何度も書いていますが、 好きなものを好きなだけ買って、とっかえひっかえインスタグラムにアップするような、 そんな皆様にはチープシックは必要ないので、お読みにならなくて結構です。 最初にアナウンスしておきますね。 内容は、賢くお金を使って無駄のないワードローブを作る方法です。 チープシックというと、なぜか「プチプラ」みたいなのを思い浮かべる方もいらっしゃるようですが、違いますので、間違えないように。 チープシックというのは、使うところにはちゃんと使いますし、 ファストファッションは買いません。 それは、カテリーヌ・ミネア+キャロル・トロイの『チープ・シック』の本にも書いてありますので、私もそれを踏襲しています。 それからあとは、おしゃれに見えるポイントのおさらいと、 新たに私が発見したルールである「おいしい色のルール」についてです。 それから「はじめに」の部分、 ブログに書いた「今なぜチープシックが必要なのか(絶望バージョン)」とは、 違うバージョンが書いてありますのでお楽しみに。 さて不思議なのですが、 書いた話題がタイムリーでして、 さらっと、パワハラ上司についても書いてあります。 さらっとしているけれども、強烈です。 (ちなみにセクハラについては書いていません。 最初の職場はそれが理由で1年足らずで辞めました。 もちろん誰も助けてくれなかったです。 そしてこのパワハラとセクハラのPTSDで、 今でも私は会社っぽい建物には入れませんので、呼びださないように) そんなわけで、皆様にお楽しみいただけたら幸いです。 感想があったら、メールで教えてくださいませ! 以上、ご連絡でした。 2013年4月23日、バングラディッシュのラナプラザという縫製工場が入ったビルが崩壊して、
多数の死傷者を出す事件がありました。 このビル内の工場では、多くの人の要求する「コスパ」の実現のため、 人権無視で、搾取的な労働を強いられた人たちが服を作っていました。 皆さんが言う服に対する「コスパ」は、 誰かの搾取の上に成り立っています。 安いには理由があります。 古いから、中古だから、古着だから、B品だから安いのではなく、 新品でそれなりにできていて安いのなら、 それは人件費が削られた、ということです。 自分の人件費が削られたくないなら、他人にそれは要求できません。 他人に「コスパ」を要求するなら、あなたが「コスパ」を要求されても、 断れません。 めぐりめぐって、それは自分に返ってきます。 幸いにも私たちは選択肢の多い世界に住んでいます。 つまり、選べる、ということです。 どうするかは、自分で決めてくださいね! きのう、グッチやバレンシアガが所属するケリングというグループが、
2016年以降、PVCは使っていないということを発信していました。 明日はファッションレボリューションデイなので、 サスティナブルと環境および人権に配慮したファッション業界の取り組みが、 いろいろとアナウンスされるでしょう。 PVCとは、ポリ塩化ビニールで、 合成皮革や、布にコーティングされている素材。 これは環境に負荷をかけるということで、ケリングでは使わないとのこと。 負荷をかけるだけではなく、 これらは長もちしません。劣化します。 そういうものは作らないということ。 これがいわばファッションの最先端。 (そのうち、ポリウレタンもやめてほしい) 私はポリウレタンが嫌いなので、 ポリウレタンコーティングのものは買いませんが、 下着なんかでちょっと入っているものは、仕方なく買っています。 ただ、長もちさせたいものはポリウレタンのものは買いません。 同様にPVCコーティングのものも買わない。特にバッグは買いません。 長もちしないし、劣化すると醜いから。 もちろんよくわからなかくて、 間違って買ってしまうこともあるけれども、 わかっているときは買いません。 ひとがものを買うとき、本当に必要なのは、
そのもの自体ではなく、そのものが提供するサービスである、 と考えるのがサービス産業経済です。 とするならば、 ひとが服を買うときに、本当に必要なのは、 服そのものではなく、その服が提供するサービスであるところの何か、 になります。 その何かは人によって違うので、 絶対にこれだ、というものはありません。 ひとによっては、それは自己満足であったり、 誰かに見せびらかすことであったり、 誰かの優位性に立つことかもしれないし、 単に必要を満たすこと、かもしれません。 そのいずれにしろ、そのサービスが満たされなければ、 それは単なるものでしかありません。 服はたくさんあるのに服がないと感じるのは、 その自分が望むサービスが満たされていない、ということです。 だからまずは、その自分の望みがなんなのか、 知らなければならないわけです。 本当の望みはなんなのか。 それを知っているのはその人だけ。 暑さ寒さをしのぐ以上のニーズは、 その人にしかわからないのです。 |
AuthorNaoko Kobayashi Archives
September 2023
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