麻とヴェルヴェット
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ファッションの流行には色とシルエットがあって、
ある一定年数過ぎると、それが変わっていきます。 この12,3年、日本はくすみ色と言われている、 全部にグレーが混ざった、グレイッシュパステルみたいな色が流行っていましたが、 これも徐々に変わってきているのが今。 どう変わっているかというと、 明度、彩度ともアップ。 明るく、鮮やかになってきています。 なってきていますというのは、どこがというと、 売る側ですね。 もとは生地屋さんです。 きっと若者からこの明るい色を選ぶようになるでしょう。 ただし、継続してくすみ色を選ぶ人たちも一定数残るでしょう。 それは以前、黒の流行が去ってもまだ黒だけ着続けた人と同じです。 もう11月も半ば過ぎ。早いものですね。
さて、流行が変わるとき、次はどんなトレンドなのかを知るのには、 どこかを定点観測するといいのです。 気温を調べるのと一緒ですね。 特に世界のトレンドを知りたいとき、 お勧めなのはVOGUE KOREAのインスタグラムがお勧め。 https://www.instagram.com/voguekorea/?hl=ja 日本のモード雑誌のほとんどの表紙がアジア人モデルになることはとっても少ないけれども、 VOGUE KOREAはアジア人モデルのときのほうが多いぐらいだし、 何より、モードのアジアの日常への落とし込みがとてもうまい。 あと、韓国ドラマで見る俳優さんは、男女とも登場が多いので、 韓国ドラマやK-popファンにもお勧め。 あと、モデルっぽくない人の登場も多いと思うので、その点もとてもいい。 何を見ていいかわからない方はフォローするといいと思います。 神奈川県は暖かい日が続いていますが、
もう既に黒いタイツの人も見るようになりました。 で、観察していると、小さい子供から大人まで、 黒い服を着ている人が多いです。 黒い服に、明度彩度とも低い、グレイッシュな服が多い。 きのう電車に乗って、あ、この人明るい色だなと思ったら、 外国からの旅行者でした。 景気が悪いときは黒が流行ると言われていますが、 今回もそうなっているようです。 景気が悪いときぐらい明るい色を着よう、 とはならないんですね。 みんなの気分の反映でしょうか。 これから冬が深まるにつれて、 ますます黒くなっていくと予想します。 こういうときはそのどんよりした色の中に沈むより、 図抜けたほうが素敵に見えるんですよ。 参考にしてください。 9月からzoomファッションレッスンを始めました。
最初のころは、平均年齢30歳という感じで皆さまお若くいらして、 しかも、宿題も完璧で、これはすごいな、とこちらもたいそう驚きました。 みんな、すごくできる方ばかりで。 10月の終わりごろから、アラフィフの方が受けてくださるようになりました。 ロスジェネよりは上の世代です。 ところが、これがどうしたことでしょう。 下の世代よりはお買い物ができたはずなのに、 今着ているものがないし、これから何を着たらいいかわからない、という感じなんです。 持っているものもジーンズ、Tシャツ、パーカー、スニーカーと カジュアルなものばかり。 (文字だけ見ると、これは20代のワードローブですね) そしてなぜか、どれも小さ目という・・・。 アラフィフの方々は意識改革が必要ですね。 今までのようなお買い物の仕方だと、これが続いてしまいますからね。 しかし、今回のzoomにするに当たって新しく取り入れた「ドラマ方式」が、 結構きいているようで、お話ししていると、皆さま未来が見えるようです。 そして50代で意識改革しておかないと、 その後がもっと大変になっちゃいます。 よろしかったら、zoomファッションレッスン受けてください。 ワードローブのそろえ方が変わってくると思いますのでね。 毛玉ができる素材、できない素材があります。
私は素材についてはそれほど詳しくありません。 素材については繊維メーカーや問屋さんのほうが詳しいと思います。 最近気づいたんですけれども、 化学繊維が入ったコットン素材、すぐに毛玉ができるということ。 コットン100%のものを買うつもりが、 家に帰ってよく見たら、ちょっと化学繊維が入っていました。 そうしたら、1週間ぐらいでもう毛玉。 3年前に買った、アウトドアウエアのパンツも化学繊維のフリースだったんだけれども、 これは激しく毛玉で、恥ずかしいレベルなので、家の中でしかはけません。 洋服って、出来上がって着た状態のものって、ほとんど検査されないので、 毛玉がどれほどできるのか、服を作る側はわかりません。 最近、なんでも化学繊維だけれども、 みんな、この毛玉が理由で捨てるのじゃないかな。 もちろん毛玉がすぐには出ないものもあります。 ある程度は仕方ないけれども、1週間とかで出るような素材はやめてほしいですね。 ネットのTOYOKEIZAIの記事によると、
中古市場がますます広がっていて、 セカンドストリートの出店がふえているとのこと。 街道沿いに時々店舗を見かけますね。 買い取られたものは、売れ残ったら、輸出、リサイクル、またはウエスになり、 廃棄はほとんどされないそうなので、 着ない衣料があったら、持っていくのがいいですね。 ただし、こういうところは大した額にはならないでしょう。 けれども、ただ捨てるよりはましです。 前に住んでいたところでは、 服は生地は資源ごみとして回収していましたけれども、 まだ服や生地が可燃ごみのところも多いと思います。 そういうところの方は特にこういうところへもっていくといいですね。 あときのうは、スタイリストの安野とも子さんが目黒に開いた安野商店という 自分がスタイリングのために集めた古い衣装を売るお店のインスタグラムを見つけました。 これからはプロの方々もどんどん古い衣服を放出していくでしょう。 この流れはもうとまらないですね。 値上げ幅が上がっていけば、
新しいものをいつも買うおしゃれをしてきた人はかなり苦しくなるでしょう。 そうしたらあとは工夫するのみ。 もちろん工夫するためには、工夫できるワードローブを作っておかないといけませんけれども。 めちゃくちゃに買ってしまった方は、 少なくともこれからはおしゃれに見えるようなワードローブを作ることですね。 工夫の方法については「誰も教えてくれなかったおしゃれのルール」にいろいろ書いたものがあるので、そちらをご参照くださいませ。 ではアパレル製品、靴、バッグが値上がりしたらどうするか。
被服費の予算をふやせないんだったら、 買うのを控えるしかないでしょう。 収入がふえないのだったら、被服費だってふやせないし、 むしろほかのものの値上がりを受けて、 減らす可能性だってあります。 というか、ほとんどの人はそんな感じではないですか? だとしたら、買うのはどうしても劣化する下着類やTシャツなど、 消耗品だけで、あとは買わない。 どうしても必要な時は誰かから借りる。 取り換えっこするのもよいですね。 お出かけ用のバッグだって、いつも使うわけじゃないから、 誰かに貸してもらえばいいし、自分のも貸せばよい。 気軽に借りられる相手がいるのが一番いいです。 原材料まで考えたら、日本のアパレル製品はほとんど輸入品です。
化学繊維は原油から、ウールは羊毛用の羊から、シルクは蚕から、 コットンは綿から、麻はリネンやラミーから、 これらの原材料、日本では産出していないし、 育ててもいないです。 (もちろんほんのちょっととかならあると思いますが) 例えばヨーロッパだったら、イギリスでは羊毛、フランスやベルギーではリネン、 アメリカだったらコットンと、 原材料があるんですよね。 でも日本はない。 そして生産国も輸入のものが多いです。 最近、日本製もふえてきましたが。 円安になったら、すべてが値上がりすること必須。 古着だって、アメリカからヨーロッパから仕入れてくるものは値上がりです。 影響を受けないとしたら、以前から国内にあった古着ぐらい。 本格的に値上がりするのは来年以降になりそうです。 以前と同じ予算では、以前のようには買えません。 皆さまもお気を付けを。 。 日本の勤労者の可処分所得はこの30年で明らかに少なくなっているのに、
税金が上がり、物価も高くなったのでは、 何かを変えなければやっていけないですよね。 そのときに、おしゃれはあきらめるというのもひとつだと思います。 私は「女たるものおしゃれでなければいけない」とか全く思っていないし、 それどころか、誰かに強制されるのは嫌いです。 他人がどうこう言う筋合いはないです。 特に年齢が上がって、 夫は定年退職とかなったら、もっと使えるお金が少なくなるわけだから、 おしゃれもここらで卒業ね、という人があらわれるのも当然でしょう。 実際、街で観察していると、そういう方が結構いらっしゃると思います。 あきらめないにしても、 新しいものをどんどん買うということはだんだん不可能になっている。 賃金が上がらないのならば。 最低時給は地方で差をつけられているし、 光熱費は上がるのだから、削るのは被服費ということは大いにあり得る。 それでもいいですよ。 だって、無理だし、 人生にはおしゃれより大切なことがあります。 本当によくないと思うのは、経済的に苦しい人を追い込むこと。 そういう人いますね。 やめてほしいです。 |
AuthorNaoko Kobayashi Archives
May 2023
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