麻とヴェルヴェット
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あれはいつごろだったでしょうか。
私も何度かフリマで売ったことがありました。 けれども、どんどん値切られるようになってきて、 それがだんだんひどくなって、100円、200円みたいな感じになり、 嫌になってやめました。 きっとほかの人もそうだと思います。 だったら、人にあげればいいや、みたいな。 それから、古着屋に持っていったこともあります。 そのときも、すごく買いたたかれて、なんだかなと思ったことがありました。 けれども、フリマアプリを使うとそれがない。 自分の決めた値段で売ればいいし、嫌なら売るのをやめればいい。 100円とか200円で売らなきゃならなかったり、 買いたたかれたりすると、なんだか自分に価値がないように思えて、 自尊心が傷つけられたけれども、 自分の売りたい値段で売ることができると、それがありません。 自分の売りたい値段で売る。 これは自分の労働にも言えることで、 労働が買いたたかれる、 つまり誰かの「コスパ」を実現するために使われると、 自尊心が傷つけられます。 そういえば、オーガニック農家の井上さんも、 値切る人は嫌ねって言っていました。 大変な思いをして作ったものを安く買いたたかれて、 嬉しい人は、まずいないでしょう。 私は新刊に書いたとおり、 アパレルの、今で言うところのブラック企業にいたことがあり、 それがものすごく嫌だったので、 そのときに、これからはお金を使わない楽しみをいろいろ考えて、 労働を安く売らないと決めて、今に至っています。 その過程で、チープシックが必要だったわけ。 もちろんこれは人それぞれ考え方が違うので、 みんなもそうすべきだ、なんて全然思いませんが、 そういう道もあるよ、ということは知っておいていいかもしれません。 考え方がそう転換したのは、 イギリスの田舎へ行ったり、パリでカフェ1杯でえんえんしゃべっている人たちを見たときです。 みんなの格好を見て、 なんだ、全然お金かかってないじゃん、と思ったのでした。 お互い納得の上でお金を払ったり、もらったりするって、 素敵なことではないでしょうか。 メルカリはそれが実現するので、人気なんでしょうね。 ☆引き続きトークイベント募集中。 今、ビフォア、アフターの写真、出せないかなと検討中。 相当面白いです。 Comments are closed.
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AuthorNaoko Kobayashi Archives
September 2023
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