麻とヴェルヴェット
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メンズの方向性がわかってしまったので、
コレクションを見て、これは売れそうか、これは売れなさそうか、 そしてどのデザイナーが交代しそうか、 だんだんわかってきました。 ウィメンズと同様、メンズも哲学が重要なので、 それがはっきりしないもの、 またデザインが自己顕示欲のかたまりみたいなものは脱落していきます。 そしてデムナのヴェトモンです。 これは見なければなりません。 フリーマーケットから拾ってきたものをリパーパスしてリサイクルということで、 デムナのやろうとしていることは一貫しています。 フリーマーケットの古着を新しくする方法です。 インタビューを読んでいたら、 それはマルジェラからの教えだそうで、 マルタン・マルジェラ自身がやっていたときにデムナはマルジェラにいたので、 しっかりとその哲学を引き継いでいるわけですね。 それは、後からちゃっかりマルジェラを引き継いだデザイナーと明らかに違います。 このあいだも、ファッションに詳しい方と、 「今のマルジェラ好きなんてエセだ!」という話をしていたのですが、 ほんとそのとおりです。 古いマルジェラ好きに言わせれば、ガリアーノのマルジェラなんて、 一番マルジェラっぽくないです。 それはさておき。 古着リサイクルが最も新しいというこの事実。 ハイブランドのことなんて、そんなの買わない人には関係ないと お思いでしょうが、さにあらず。 必ずこの影響は川下にもやってきます。 私も去年からちょっとした古着ブーム。 今年も古着は要チェックですね! あと関係ないんですけれども、 ヴェトモンのチームはチューリッヒにあります。 それは考えないで感じるため、とのこと。 クリストファー・ベイリーもロンドンではなくヨークにおうちがあるという。 私が好きなデザイナーの皆さんは、中心地には住んでいません。 ここらへんも大きなヒントだと思います。 きのうヴァレンティノのクリエイティブディレクターの
ピエールパオロのインタビューを読んでいたら、 ステレオタイプからの脱却、というようなことが書かれていて、 メンズもやはりそうなのかと思いました。 あとアダム・アントとロバート・スミスのことが書かれていて、 やっぱりデザイナーは音楽わからなきゃだめねと。 そんなわけで、 メンズの方向性は男性のステレオタイプからの脱却というテーマもあります。 あと、白人文化というよりも、 ヨーロッパ文化からの脱却なのかなとも。 なぜなら、デムナにしろ、ゴーシャ・ラブチンスキ―にしろ、 ロシアなんで。 旧ソ連諸国はヨーロッパではないという位置づけ。 あそこの文化は違うのです。 中心から周辺へ、 というのが大きな流れでしょう。 それをどう表現するかはブランドそれぞれ。 だけれども、 きのうのドリスヴァンノッテンもまんまジャージの上下であったように、 スポーツとかアウトドアの流れは今年の秋冬、 席巻するでしょうね。 朝からヴァレンティノのメンズのショーを見ておりました。
ちゃんとメンズの流れに沿っております。 同じです。 開きがファスナーになったジャージのハイネックのトップスを、 ファスナーを全部閉めて、その上からコートなり何なりを着ます。 さて、このコートにとがったスタッズがついております。 スパイクみたいな? 小田急線には乗れないよね、みたいな。 それのことを「アリストパンク」と言うらしいのですが、 日本語で検索してもアリストパンクの意味が出てきません。 アリストパンクを探していたら、時間がたってしまいました。 わかりました。 貴族的パンクということらしいです。 とにかく、 来年の秋冬、メンズはみんなこれです。 スポーツもしくはアウトドアウエアの上下に、 仕立てのいいロングコート。 これにつきます。 格好よくこのスタイルをするには、 何度も書きましたが、 スポーツウエアは本物を選ぶことです。 私が男だったら、そうだな。 アディダスかプーマの黒かネイビーの上下を買って、 バーバリーあたりの黒かネイビーのコートを着ますかね。 引き続きメンズの秋冬コレクションを観察。
方向性がわかったら、どれを見ても意味がわかるようになりました。 するとちゃんと前を向いて作っているブランド、 自分の好みでやっているブランド、 過去にとらわれているブランドなど、分類できます。 自分の好みのみのブランドは、ファンには受けますが、たくさんは売れません。 過去にとらわれているブランドは、どんどん売れなくなっていきます。 買い物はいつでも未来のためにしますから、 未来に逆行するようなものは買えません。 トレンド予測は、天気予報のようなものなので、 予想を立てておいたほうが、失敗が少なくすみます。 そしてその方向性と、自分の好みの接点を探して、 どこで落とし所をつけるか決めます。 どこかに必ずポイントがあります。 また、若いほうはトレンドよりで、 年をとるにつれて、そのポイントは自分よりになります。 時代の流れと自分の流れ、 両方を見極めながら、買うものを決めればいいわけです。 ところで、今、個人的に注目のつなぎ。 メンズにも出てきました。 フェンディとマルニ。 メンズもつなぎがくるかも? きのうプラダを見ていて、
これ、見たことあるなと思っていたら、 やはり今回のメンズはプラダのアーカイブからのデザインも多く、 私が思いだしたのも2000年ごろのプラダスポーツのフーディーでした。 あのスタイルは、最初に出てきたとき非常に新鮮で、 いいなと思ったのを覚えています。 そしてきのうはついでにもう既に発表されためぼしいメンズをチェックしました。 それで、わかりました、なんとなくメンズの方向性が。 MGSMもドルチェ&ガッバーナも間違いなくストリートスタイル。 もちろんゴージャスなストリートスタイルです。 スタイルはそういうことなのですが、 これは何を意味するかというと、 脱白人文化至上主義でしょう。 そしてもちろんアンチレイシスト。 ここら辺が今後のポイントになってくると思います。 解釈は人それぞれなので、デフォルトは多種多様になるでしょう。 夜中に行われたプラダの18秋冬のメンズコレクションを見ました。
ラッパースタイルでした。 シルエットは大き目、 かぶりのフーディー、 色は黒がメインで、そこに蛍光色の黄色やグリーンを足していくスタイル。 コートの下にジャケット あとシャツと黒いタイ。 そして必ず帽子。ラッパーの皆さんがかぶっているあの帽子です。 今調べたらファティーグハットと言うと辞典に書いてありました。 ファティグは疲れるという意味だけど。 要するに、米軍が作業するときにかぶる帽子だそうです。 ラッパースタイルとなると、モデルは黒人、もしくはミックスト・レイス。 ファレル・ウィリアムスみたいな、もしくはアドワ・アボワ。 これから特にメンズはこれが主流だと思います。 今言われているストリートスタイルって、要するにラッパーなんで。 (スポーツ、アウトドア、軍服(つまりトラッド)をうまく混ぜればできますね) そういえば、海王星って音楽も管轄でした。 普通はロマン派なんだけど、21世紀のロマンははラップなのか。 そうなのか・・・ きのう雑誌のBritish Vogueが届きました。
12月号です。 いったいどこへ行っていたんでしょう? もう2月号も出ています。 2月号はいつくるんでしょう? それでも紙のほうが見やすいので、これは紙で買います。 さて、British Vogueの スタイリング、 一部はネット上で公開されているのですが、全部ではありません。 12月号なんですけど、 そこに出ていた今一番格好よく、そしてこれからも続くスタイリングは、 ハイブランドのジャケットまたはコート、 アディダス、ナイキ、プーマのトラックパンツとシューズ、 アウトドアブランドのバックパックです。 例えば、セリーヌとナイキ、バレンシアガとアディダスなんかあわせてあります。 ちょっと遅い? スポーツウエアとアウトドアが格好いいよと書いたのは、 3年ぐらい前でしたでしょうか? もうそのころからそうなんですけど、 今やっと、大々的に認知されるようになりました。 まあ皆さんがハイブランドのコートやジャケットを着るわけじゃないと思うので、 コートとジャケットはハイブランドに準ずるもの、 みたいになると思いますが、 若者はこれからこういうスタイルが主流になるでしょうね。 特に男子は。 しかしこのスタイリングがえらく格好いい。 スウエットパンツは一切使用していないせいか、 どれもびしっとしています。 ジーンズより、数段格好いいと思います、私は。 特にパンツはジャージを選ばないことがポイントだと思います。 1年前、マドンナがウーマンズマーチでスピーチをしたときに、
オレンジのつなぎを着ていて、 それがたいそう格好よく、それ以来、つなぎが気になっておりました。 その後も、バーバリーのコレクションにつなぎが出ていたり、 それから、先日もイケアにつなぎを着た格好いいパパがいたりと、 どうしてもつなぎに目が行くように・・・ それできのう、やっぱり今年はつなぎを着ようかしら? ということで、ネットで検索してみると、 あるのはワークマンとかの本気の作業着系でした。 でも、それが案外いいのですよ。 なんちゃってのところより、本気のところは格好いいんです。 湘南エリアはつなぎで十分なので、 つなぎ、買うかも、です。 |
AuthorNaoko Kobayashi Archives
April 2024
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