麻とヴェルヴェット
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流行色があるという話は本にも書きました。
いろいろな団体が今年はこの色、というようなことを発表し、 それにあわせて糸や生地が作られるので、 結果、その色がその年に多いことになる、という現象です。 それとは別に、時代の色というものもあります。 60年代だったら、化学染料の発達によって生まれた、蛍光色がかかった、 だけれども、強い色。 70年代だったら、カントリーとかヒッピーみたいな感じでナチュラルな色合い。 80年代は反動で、ヴィヴィッドな強い色。 90年代は黒と白とか、コントラストの強さ。 2010年代は黒からグレーなど、モノトーンなんだけれども、コントラストはつけない。 みたいな感じで。 で、2020年代は、強すぎず、ペールでもない、明るい色を発表するところが多いのではないかと思います。 これは2010年代の後半から続く流れです。 きのうのアナ・ウィンターも2020年秋冬は「明るい色」って言ってましたし、 たぶんそうなんだと思います。 今朝は今冬一番の寒さでしょうか。
台所が激寒です。 関係ないですが、今、vogue Americaのアナ・ウィンターのYouTubeを見ていたら、 アナが、今年の映画でお勧め一番は「フェアウェル」、二番目は「パラサイト」って言っていました。 アナもお勧めの「パラサイト」。私は2回も見てしまいましたよ。面白いので。 さて、マスクです。 自分で作ろうと思えば自分で作れます。 ガーゼと普通のポプリンかなんかの生地とテンションが低いゴムと。 大昔は手作りでしたし。 ただ、普通の生地ですから、抗菌とかはないです。 咳が外に出るのを予防するだけですが、 何もないよりはいいでしょう。 都内では、本当にマスクが売り切れているとのことです。 うちのほうはまだ大丈夫ですが、 もしないとなったら、自作しましょう。 作り方は各自調べてみてください。 今持っている気に入ったマスクの大きさを参考に、 自分でアレンジして作るのもいいですね。 世界の若い世代、特にジェネレーションZと言われる世代は、
サステナビリティに配慮した服選びをする傾向が強いようです。 グレタに代表されるように、地球環境の悪化や気候変動を憂慮していますので、 環境に配慮した消費行動をするよう心掛け、実行しています。 長く着られるものを買う、 中古古着を取り入れる、 要らなくなったら、また売る、 これを徹底している人たちがかなりいます。 この世代がもう少し大きくなるころには、 これが世界の潮流になっていくでしょう。 年代としては上ですが、 先日、アレクサ・チャンの動画を見ていたら、 古着を買って着ていると言っていました。 日本は最近になって、やっと雑誌が取り上げ始めています。 もう後戻りはないでしょう。 3色ルールというのは、クラッシックでエレガントな色合わせになります。
けれども、少々、完璧すぎるきらいがあるので、 それを嫌がって、わざとはずしてくるブランドもよくあります。 例えばグッチやプラダ。 グッチは、はずしてくるというよりは、多彩なカラーパレットを作っておいて、 そこからチョイスするという感じですが、 プラダは、どうもわざとはずしている感じがします。 (大体、靴やバッグではずしてきます) ふつうの人が見分けがつかないのが、 この、完璧なところからはずした色合わせされたルックと、 最初からめちゃめちゃな色合いのルックです。 プラダをよく見ていると、はずしているとはいえ、 そこはそのシーズンの全体のカラーパレットから選ばれており、 トータルで見たら、統一性がある、ということがわかります。 一方、日本の雑誌のスタイリングでよくみられる色合わせは、 驚くほどめちゃくちゃなものがよくあります。 きっと、何社かのスポンサーから借りてきたものを組み合わせただけ、なのでしょう。 3色ルールからはずれるときは、 やはりまず3色を完璧に作ってから、そこから1か所だけはずすといいです。 同じブランドのもので固めている場合は、それほど変ということはないでしょう。 本日、立春です。
もう梅もだいぶ咲いてきました。 日差しも明るいです。 この明るい陽射しには、明るい色がよく映えます。 関係ないですが、 アーサー・ウエィリー訳の源氏物語を翻訳したものの一巻を読み終わりました。 着ているものの描写が出てきますが、 喪服以外では黒も着ないですし、 女性たちが皆、灰色や黄土色を着ました、 なんてのもないんですよね。 というか、男も着ませんね。 特に光源氏は、いつでも「まばゆいばかりの美しさ」なんで、 灰色とか、着ませんね。 まあ、美しさというのは通常、明るい色で表現される、ということでしょう。 以前にも書きましたが、似合う、似合わない議論は不毛です。
最終的には「日本人には洋服は似合わない」または 「日本人は着物が一番よく似合う」で終わります。 まず、家に入るときに靴を脱ぐ時点でアウトです。 服というものは、靴をはいて完成ですから、 靴を脱いだ姿はイレギュラーです。 で、やはりミニスカートや膝丈スカートは、 脚のひざから下がまっすぐで長い人がよくお似合いなわけですが、 最近、日本人の脚のひざから下はまっすぐ、かつ長くなってきたのでしょうか。 先日、ニュースを見ていたら、 日本の20代の平均身長は20年前より低くなっているそうです。 うちの近くに高校があって、 高校生が短いスカートで歩く姿をよく見ますが、 脚がまっすぐ長い子は、そんなに多くありません。 確かに身長もそんなに高くない。 1868年に洋服が導入されてから100年余り。 日本に住む人たちの体型が洋服向きになったわけではないようです。 そしてそんなに似合うのだったら、今頃、雑誌の表紙はみんな日本人になっているはずなのに、 相変わらず、西洋人だらけ。 みずから似合わないと認めているわけですね。 特に日本のブランドの広告はいまだに白人モデルばっかり。 そんなわけで、似合う似合わない議論は不毛だからやめましょう。 以前、パーソナルファッションレッスンをしていたとき、
「あなたには〇〇が似合うと言われたが、それは着たくない。 着なくてもいいか?」とおっしゃるクライアントさんがたくさん来ました。 聞いた相手はパーソナルスタイリスト、カラー診断、骨格診断、その他もろもろ。 そして聞いてきた皆さんは、40代以上の皆さん。 結局、「あなたにそれが似合う」と言われても、 自分が着たくない服は着たくないわけです。 「似合う服」などというのは、気に入ればいいけれども、気に入らなければ、困った代物になります。 さて、まだまだ多くの皆さんが、似合うというのは絶対的な1つの基準だと思っているようですが、違います。 「似合う」というのは環境、周囲のメンバー、シチュエーション、自分の気分といった 要素の関係性で決まるので、一つではないんです。 センター試験みたいなテストのせいでしょうか。 いつでも答えは1つと思っている人が多いけれども、 答えはたくさんあるし、しょっちゅう変わります。 なぜなら、人間は宇宙空間に一人ぽつんと浮かんで存在しているわけではないからです。 私たちは、関係性の中で生きています。 変な言い方だけれども、 多くの人が望む似合う服って、現在の自分以上に感じられる服のことなんですよね。 だから、「ビルの清掃員の制服が一番似合う」と言われて、 納得する人はいないでしょう? もし納得したとしても、それでどこへでも行かないですよね。 もうちょっといいたとえで言ったら、 「飛行機のキャビンアテンダントの制服がとても似合う」としても、 それは飛行機の中で働いているときに似合うのであって、 それでスーパーで買い物したり、デートしたりはしないでしょう? そういうことです。 世界のファッションのトレンドと日本のトレンドが離れてしまって久しいですが、
シルエットは、まあまあ日本も世界に追いついています。 ただ、どうにも世界と違うのは色です。 もう3,4年ぐらい前から、ウィメンズは明るいピンク、ブルー、黄色、黄緑など、 きれいな色が提案の主流なのですが、 店舗の前を通ると、くすんだ色ばかり。 特に、ミセスみたいな感じのお店の前を通るとグレーと黒ばかりです。 若い人はだんだん明るい色を着始めているので、 ここから脱しつつありますが、 アラフォー以降みたいな感じの方は、とにかく黒とグレーが多い。 なんというか、輝きがない色です。 ミウッチャ・プラダ様はいつもコレクションの最後に登場しますが、 いつも輝くような色をお召しです。 たしか去年70代に突入したはず。 若く見えるのは、この輝きのある色のせいです。 グレーのお花はありません。 瑞々しさ、若々しさを宿すためには、植物、特にお花に見られるような色がいいです。 もちろん瑞々しさとか、若々しさとか要らない場合は、 黒とグレーでどうぞ! |
AuthorNaoko Kobayashi Archives
April 2024
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